研究課題/領域番号 |
23K10555
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
曽田 真宏 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70930717)
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研究分担者 |
千田 浩一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (20323123)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 放射線 |
研究実績の概要 |
近年、臨床用高性能X線CT 、すなわち多面検出器を持つエリアディテクタX線Computed Tomography (AD320列CT)を用いた心臓CT検査の有用性が認められている。AD320列CTは検査時間が極めて短く1心拍の撮影時間で心臓全体の3次元の画像表示が可能である。だがX線CTは造影剤と被曝のリスクがある。そこで当研究は、臨床用AD320CTを用いて、造影剤と被ばくのリスクを軽減して負荷試験を可能とする低侵襲心機能解析法に関する新手法の開発を目指す。そのために、今年度は主に臨床用AD320列CTの被ばく線量の現状を詳細に調査した。すなわち臨床用AD320列CT を用いた心臓X線CTにおける、CTDI(computed tomography dose index)やDLP(dose length product)の現状の評価を行った。臨床用AD320列CTの2つの心臓CTモードにて調査した(①X線管電圧 120kV、X線管電流 AEC、 回転速度 0.24sec、 スライス厚 0.5mm、 320列 volume scan、②X線管電圧 100kV、X線管電流 AEC、 回転速度 0.24sec、 スライス厚 0.5mm、 320列 volume scan)。その結果、心臓X線CTの診断参考レベル(DRLs2020)は、CTDIは66mGy、DLPは1300mGycmであるので、CTDIとDLPは何れもDRLs2020より低値であることが確認できた。次年度は、臨床用AD320列CT を用いた心臓X線CTさらなる線量低減へ向けた詳細な基礎検討などを実施する予定である。(主な研究協力者:加藤聖規、藤沢昌輝、山田歩実、大野紗耶、今田聡恵、進藤僚太、山本啓介、下橋航大、高平咲希)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響が残っており、臨床装置の使用ができないことが多いなど、十分に測定実験等ができなかったため、当初の予定通りには研究が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
基礎的実験などを詳細に進めそして測定を充実させ、さらなる線量低減へ向けた検討を行い研究を推進させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響によって、臨床装置などの使用ができないことが多く当初の予定通りには実験研究が進まなかったため直接経費の使用が滞った。次年度はファントム購入などの経費に使用する計画である。
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