研究課題/領域番号 |
23K10558
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱田 涼太 京都大学, 医学研究科, 技術職員 (00894750)
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研究分担者 |
新井 康之 京都大学, 医学研究科, 助教 (10826564)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | キメラ抗原受容体T細胞療法 / 運動耐容能 / リハビリテーション / 理学療法 |
研究実績の概要 |
今年度は京都大学医の倫理委員会へ当研究計画を申請し、研究実施の許可を得た。京都大学医の倫理委員会への新規登録のために補助金を使用した。 本研究の主たる診療科である血液内科および当院リハビリテーション部理学療法士、病棟看護師などと研究プロトコールに関するミーティングを行い、研究体制を確立した。 現在までに41名の新規患者様のキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法前後の身体機能に関する情報を取得し、さらに現在2名の患者様のデータを取得中である。今年度は42名のデータ取得を目標しており、目標症例数のデータは得られる状況である。 現状までに取得されたデータを用い、第46回日本造血・免疫細胞療法学会において、リハビリテーション介入を受けているCAR-T細胞療法患者さんの治療前後の6分間歩行距離(全身持久力)は減少しにくいことを発表した。一方で、治療後は90%という高い割合でサイトカイン放出症候群(CRS)を発症し、医学的にCRSのコントロールに難渋、重症化した患者さんについては治療後に全身持久力が低下する可能性が高まることを示唆した。また、CRS以外の合併症に関しても治療後の全身持久力の低下に関連する傾向を認めてきている。これらは、CAR-T細胞療法患者さんの治療前後の身体機能を定量的に評価した数少ない報告の1つであり、本研究の基礎となる知見である。 以上のように、本研究の研究体制は整ってきており、症例数を蓄積できている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CAR-T細胞療法を当院で受ける患者様の数は当初計画した数で推移しており、安定しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続してデータ取得を進める。さらなるデータが蓄積されれば治療期間中の身体機能に影響を及ぼすリスク因子の解析なども進めていき、学会・論文投稿を行なっていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度はさらなる症例数の蓄積に期待できるため解析用機器の追加購入、学会参加費、論文執筆に係る英文校正費などに科研費を使用する。
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