現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は、前述の如く、課題1(転倒に関する実態調査により転倒の原因や転倒回避対応動作の実態の解明)に取り組んだ。大阪府他7都道府県に在住の20歳代~90歳代の男女924名を対象に調査した。年代別・性別対象者は、20歳代(M:9,F:10)、30歳代(M:4,F:16)、40歳代(M:40,F:40)、50歳代(M:43,F:47)、60歳代(M:29,F:40)、65歳代(M:34,F:52)、70歳代(M:44,F:102)、75歳代(M:39,F:165)、80歳代(M:37,F:121)、85歳代(M:9,F:31)、及び90歳代(M:3,F:9) であった。 各年代100名を目標に調査を継続する予定である。 調査結果の分析により、転倒の原因や転倒回避動作を調査から確認できた。日常生活調査(ADL:文部科学省新体力テスト)と転倒の関係性を確認した。年齢は、転倒経験無群(67.0±15.4歳)vs転倒経験有群(70.4±14.8歳)と転倒経験有群の年齢が有意に高い結果であった。ADL調査36点満点中、転倒経験無群(29.3±6.3点) vs転倒経験有群(26.9±6.8点)は、転倒経験無群が有意に高い結果となった。さらに、転倒リスク調査(出村:19得点)と転倒の有無は、転倒経験無群(3.91±3.6点)vs転倒経験有群(4.4±4.4点)と転倒有群が有意に高い結果であった。研究課題の滑り転倒群の年齢(65.8±18.3歳)、ADL得点(28.5±5.3点)、転倒リスク得点(4.3±4.3点)は、加齢による影響があるものの、日常生活活動調査の得点は高く、転倒リスクはやや高く、体力低下よりも不注意や予期せぬ状況で対応できずに不意に転倒を起こす可能性が示唆された。調査は概ね順調である。24年度に学会にて調査結果を発表予定である。
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