研究課題/領域番号 |
23K10695
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田口 素子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (90360734)
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研究分担者 |
鳥居 俊 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70164069)
谷澤 薫平 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (50771812)
御所園 実花 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (60880838)
本 国子 聖徳大学, 人間栄養学部, 講師 (60413209)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 安静時代謝量 / アスリート / 総エネルギー消費量 / 身体活動代謝量 / 日常生活活動のエネルギー消費量 |
研究実績の概要 |
本研究では、アスリートの安静時代謝(REE)の個人差に影響を及ぼす要因のうち、主に身体活動代謝量(AEE)と日常生活活動のエネルギー消費量(NEAT)の影響、及び遺伝的な影響について明らかにすることを目的としている。2023年度は、男性大学生アスリート21名及び同じ大学に通う一般男性12名を対象として測定したAEEとNEATの解析を行った。対象者には連続した7日間、3軸加速度計を装着させた。NEATは加速度計から得られたMETsのデータを使用して算出した。身体活動強度は、座位行動 (1.0~1.5 METs)、低強度活動 (1.6~2.9 METs)、中強度活動 (3.0~5.9 METs) 及び高強度活動 (6 METs以上) に分類した。アスリートは非アスリートよりも1日あたりのNEATが高値であった。体重1 kgあたりのNEATに2群間で有意差は認められなかったが、アスリートの体重1 kgあたり1時間あたりのNEATは非アスリートと比較して有意に高値であった。アスリートは睡眠と運動を除く日常生活活動時間において非アスリートよりも活動的であることが明らかになった。アスリートでは運動によるエネルギー消費量とNEATを合計したAEEが一般人よりも大きくなるため、1日の総エネルギー消費量(TEE)に占めるREEの相対的割合は一般人の62.1%より有意に低値であり、52.3%であった。以上の結果は英語論文として公開されている。 また、女性持久性アスリート20名を対象として、二重標識水法を用いたTEE、REE、AEEを測定した。データの一部は解析中であり、論文としてまとめて投稿する予定である。臓器量の影響に関しては、コントロールとして一般人を対象とした測定を実施し、臓器量を解析中である。引き続き数名の測定を追加し、遺伝的な解析も開始する予定にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の測定では予定していたよりもやや人数が少なくなった。今後コントロール群も含めて人数を増やして測定を継続する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の一部の成果は、2024年5月にアメリカスポーツ医学会にてポスター発表を予定している。得られたデータの解析作業を進めていき、順次学会発表をしていく予定であり、英語論文として学術雑誌への投稿準備も進める。2023年度の測定時に採血した血液の一部は冷凍保存しており、2024年度に遺伝子多型の解析を実施し、REEに及ぼす遺伝的な影響について検討していく予定である。また、人数を増やして測定を実施するとともに、REEに及ぼす臓器量や月経状況の影響などについても検討を加え、論文化を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度には女性アスリートの測定を実施したが、予定していたよりもやや人数が少なくなった。そこで2024年度には男性アスリートやコントロール群としての一般人の測定も含めて人数を増やして同様の測定を継続する予定である。REEに影響を及ぼす遺伝子多型の頻度とその影響についての検討は予定通り2024年度に実施するが、追加で測定した分のデータも加えて検討する計画である。
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