研究課題/領域番号 |
23K10703
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
山口 志郎 流通科学大学, 人間社会学部, 准教授 (70733096)
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研究分担者 |
伊藤 央二 中京大学, スポーツ科学部, 准教授 (00736861)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ヘリテージスポーツツーリズム / 場所への意味づけ / ベルギー / メモリアルヴァンダ / ツアー・オブ・フランダース / 殿堂入り / 拠点施設の整備 / 参加型サイクルイベント |
研究実績の概要 |
本年度は、ヘリテージスポーツイベントに分類される国外における陸上競技大会及び参加型スポーツイベントの場所の意味づけに関する情報収集を行うことを目的とした。具体的には、ベルギーにおいてヘリテージプラークに認定されているメモリアルヴァンダムと、ツアー・オブ・フランダースを対象に、フィールドワーク及び関係者に対してインフォーマルなインタビューを行った。メモリアルヴァンダムについては、ベルギーの元オリンピック銀メダリストで1976年に交通事故のためこの世を去ったイヴォ・ヴァンダムを追悼する大会として、1977年からイベントが開催されている。この大会のルーツに基づき、過去にメモリアルヴァンダムに参加し、オリンピックや世界陸上で活躍したレジェンド選手に対して2017年より殿堂入り制度を設けると共に、大会中はレジェンド選手がイベントを盛り上げる仕掛けが行われている。このような取り組みを通じて、メモリアルヴァンダムではブリュッセルという場所で開催される大会に、意味づけを行っている。 一方、ツアー・オブ・フランダースでは、単なるイベント開催にとどまらず、様々な取り組みを通じてヘリテージスポーツツーリズムの成果を上げている。開催都市の変更や拠点施設の整備、参加型サイクルイベントの開催、そしてコース全体を遺産として捉え、その場所に意味づけを行う戦略が練られている。これらの仕掛けを通じて、ヘリテージスポーツにおいて重要な要素である1)有形不動産、2)有形動産、3)無形資産、4)商品やサービスといった遺産が形成され、年間を通じたサイクルツーリズムの取り組みが実現している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1年目となった令和5度は、予定通りベルギーでのフィールドワークが実現し、短報という形で論文化することができた。そのため、おおむね順調に進展している。現在は、2年目の調査に向け、先行研究のレビューや箱根駅伝のステーホルダーマップの作成を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目となる令和6年度では、先行研究のレビューを進めながら、箱根駅伝のステーホルダーに対して、インタビューを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度は、物品費が当初の予定より安くなったことから、その部分の差額が生じている。令和6年度は、インタビュー調査のための旅費、謝金、テープ起こし代等に費用を計上している。
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