研究課題/領域番号 |
23K10719
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
玉城 将 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (80599233)
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研究分担者 |
飯野 要一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50345063)
吉田 和人 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 教授 (80191576)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 卓球 / サービス / ラケット / 3次元計測 / コンピュータビジョン / 機械学習 / 回転 / パフォーマンス分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は卓球のサービスにおけるラケット操作の特徴を解明することである。今年度の主な成果は(1)卓球ラケット検出に関する技術検証、(2)ラケット姿勢推定に関する技術調査、(3)卓球ラケットの検出および姿勢推定のためのデータセット構築の3件であった。(1)では、ディープラーニングをベースとした物体検出アルゴリズムについて調査をした。その結果、学習済みモデルを用いたテストの結果などから、YOLOv8が本研究の目的に適していると考えられた。(2)では、ディープラーニングをベースとした物体の姿勢推定アルゴリズムについて調査を進めた。その結果、3D CNN(convolutional neural network)が本研究の目的に適していると考えられた。3D CNNモデルはラケットを含む矩形の動画を入力とし、ラケットの位置・姿勢を出力とするようトレーニングする方法が最も標準的な利用方法であるが、入力パラメータに打球後のボールの運動状態を含めることで、ラケットの運動をより正確に推定できる可能性がある。(3)では、上述したラケットの検出、姿勢推定に利用できるデータセットを構築している。ラケットの検出用のデータは、これまでに得られている試合映像をもとに構築している。ラケットの姿勢推定用のデータは、3D CGを用いて作成している。いずれも未完了であり、今後、さらにデータサイズを増やした上で、検出用のモデル、姿勢推定用のモデルのトレーニングを実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、ラケットの検出および姿勢推定の第1回目の実験を実施できるまで開発を進める予定であったが、そこまで達することはできなかった。しかし、技術検証は済んでいるため、データセットの構築が完了すれば、すぐに第1回目の実験を実施できる状況であり、それほど大きく遅れているわけではないため、「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)学習用データセット構築の完了、(2)検出および姿勢推定モデルのトレーニング、(3)静止したラケットを対象とした姿勢推定実験、(4)卓球試合中のラケットの姿勢推定実験、(5)分析用データの収集が課題となる。(1)、(2)は「研究実績の概要」で説明した通り、2023年度から引き続き実施する課題であり、2024年度で完了させる。(3)は、トレーニングされたモデルを用いて、静止したラケットの姿勢を正確に推定できるかロボットアームを用いた実験により検証する。(4)は、卓球のプレーを撮影し、プレー中の卓球ラケットの姿勢を推定できるか実験により検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
精度評価実験は2024年度の1回に縮小して実施する計画に変更し、且つ2023年度は公表すべき成果が得られなかったことから学会発表をしなかったため。
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