研究課題/領域番号 |
23K10736
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斎藤 卓 筑波大学, 体育系, 准教授 (60347119)
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研究分担者 |
渡辺 良夫 筑波大学, 体育系, 教授 (10240532)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 平均台 / つまずき / 運動アナロゴン / コツ / カン / 志向性 |
研究実績の概要 |
2023年度の研究成果は以下の通りである。平均台運動の授業で生じる生徒のつまずきの事例収集と類型化を行うに先立ち、平均台運動の実施状況やつまずきやすい技および運動局面ごとに生じるつまずきにどのような特徴や傾向があるかなどについて、器械運動授業担当者への聞き込み調査を行った。その結果、平均台運動の実施がほとんど行われていないことと、授業の内容にバリエーションが少なく、授業が単調になりやすいことから、実施されにくい傾向があることがわかった。また、つまずきは、生徒の技能レベルごとに特徴的な傾向を持つということが浮きぼりにされた。 現在は、平均台運動に関する指導書に提示されている技術を整理し、体系化を行っている。特に指導書に提示されている平均台の指導内容は歩行、ジャンプ、ターンの基本的な技のポイントを示すものが中心であり、つまずきを示すものはなかった。また、他の器械種目に比べて取り上げている技が少なく、授業の展開に支障をきたす可能性があることが考えられた。さらに上記の遂行とともに、今は平均台の発達史を整理し、平均台の意義を明確にしている最中である。それは平均台の意義を明らかにすることで、これまでに平均台で求められてきた学習内容が明確にできると考えられるからである。 今後はスポーツ運動学あるいは運動伝承論にかかわる文献を収集するとともに、平均台運動のつまずきに関する志向性分析を行うことで、平均台における身体知の養成プログラムの開発を目的に、平均台の新たな運動アナロゴンを開発する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度においては,平均台運動のつまずき事例の映像を収集予定であったが,平均台を授業において実施している学校数が少なく,対象とする学校の選抜が難航した。そのため、 映像収集を予定通り,進めることが出来ず、2024年度にも継続して撮影を行う必要が生じた。しかし,平均台運動に関する指導書に提示されている技術を整理したり,平均台の発達史を整理し直し、平均台の意義を明確化する作業については順調にまとめられているため,研究計画は若干の遅れと言える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度においても,引き続き、平均台運動を授業で実施している学校を調査し、撮影を行う予定である。そして撮影資料が揃い次第,体系化を行う予定である。2024年度は平均台運動のつまずき資料の体系化を中心に作業していく予定なので,当初の研究計画通りに進めていけると思う。 2024年度は、2023年度の研究成果をもとにして以下のような活動を行う予定である。 ・平均台運動の授業へ出向き、つまずき事例の映像を収集する。・収集したつまずき事例について、指導段階や指導環境、年齢の違いなどとの関連を検討して類型化を行う。・以上をまとめて、平均台運動のつまずきの類型を明らかにし,スポーツ運動学(現象学的・モルフォロギー)的立場から志向性分析を行い、つまずきを解決する ための運動アナロゴンを開発する
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