研究課題/領域番号 |
23K10784
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
岡崎 勘造 東北学院大学, 人間科学部, 准教授 (40586773)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | actigraph / quality of life / 児童生徒 / 身体活動 / 睡眠 / 体力 |
研究実績の概要 |
・本研究の目的は、子どもの睡眠と身体活動を「機器(3軸加速度計)」で測り、以下の点を明らかにすることである:普段の睡眠の量・質、強度別の身体活動の現状、その睡眠の量・質と強度別身体活動の関連、「睡眠―身体活動―元気さ(QOL、体力)」の3者間の関連。 ・令和5年度は調査に向けて対象校との調整を予定していた。これまで協力体制にあった小中高の一貫校とは継続して協力を得られる方向となった。その他、新しい学校においても調査協力の信頼関係の基礎を築けた。例えば、後者の新しい小学校では、まずは3軸加速度計の装着について承諾を得た。ただし、睡眠中も3軸加速度計を装着するまでは了承を得られず、次年度の目標である。 ・睡眠中の3軸加速度計装着について理解を得られなかったため、子どもの睡眠の評価は自記式質問紙法「子どもの日中眠気尺度 (Pediatric Daytime Sleepiness Scale: PDSS) 日本語版」を活用した。身体活動は3軸加速度計で評価し、心身の元気さとしてPediatric Quality of Life Inventory(PedsQL)日本語版を活用した。これら関連性については現在分析中である。 ・協力関係にある一貫校の高校では、パイロットスタディとして高校生を対象に3軸加速度計による調査を行った。睡眠中も含めて3軸加速度計装着の了承を得ることができた。その成果は、日本睡眠学会第45回定期学術集会(2023年横浜)にて発表した。日本人高校生の睡眠を加速度計で見える化した研究データはあまりない。調査票では見える化しにくい睡眠の部分を加速度計によって見える化できたことは、今後の比較対象データとなり得るため意義があり重要であると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・おおむね計画通りには遂行できたが、新しい調査対象校では睡眠中に3軸加速度計を装着できるには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
・研究を遂行する上での課題は、学校現場との調整である。学校現場の信頼関係をさらに深める必要がある。そのために新しい調査対象校とも今年度から大学との連携事業を始めた。連携事業は、大学生による体育補助事業である。あるいは、収集したデータを児童とその保護者向けにフィードバックし、学校保健における保健教育の補助がある。データを収集するだけでなく、その後のフォローも行い、単に調査対象だけでなく健康教育上何かしらのメリットが期待されるような対応を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、国際学会への参加ができなかったこと、3軸加速度計を用いた調査ができなかったことが挙げられる。使用計画は、研究成果を国際学会等にてアウトプットできるようにと務めることである。アウトプットのためには3軸加速度計のデータ収集が必要である。調査対象校と協力体制を強め、3軸加速度計による睡眠調査を実行し、データを収集できるよう務める。
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