研究実績の概要 |
本研究の目的は「老化が唾液腺の機能に与える影響を解明し、唾液分泌障害の新規治療法の基盤構築をする」ことである。唾液分泌障害は現在まで有効な治療法が確立されておらず対症療法に留まっている。更には唾液分泌障害の原因の1つとされている「老化」が唾液腺にどのようなタイミングとメカニズムで影響を与えるかは明らかではない。そこで本研究では「老化が唾液腺の機能に与える影響」を解明するため、マウスの老化に伴う唾液腺の機能低下と唾液腺構成細胞の分子機構の挙動をトランスクリプトーム解析により網羅的に明らかにする。以上の計画をもって唾液腺細胞の分子機構を基軸とした唾液分泌障害に対する新規治療法の開発を目指す。 今年度はマウスを年齢別に分類して唾液腺の機能を形態学的・機能学的に明らかにするため、C57BL/6Jマウスを4,8,12,20,22,24か月齢毎に使用する。そしてそれぞれの月齢マウスの、①食餌量、飲水量、体重変化の測定、②免疫染色による機能マーカー(細胞増殖:EdUとKi67、腺房細胞:aquaporin-5、導管上皮細胞:cytokeratin-19、筋上皮細胞:cytokeratin-14、唾液分泌腺:muscarinic acetylcholine receptor M3)の発現量の確認を行った。
|