研究課題
食品でウイルスを不活化することができれば、口腔内や消化管粘膜を通じて感染するウイルスに対する感染抑制効果が、食することによって得られる可能性が期待される。本年度は、食品由来の成分に種々の処理を加え、ウイルスを不活化する条件を見出した。さらにウイルス不活化能が高い化合物の分画濃縮に成功した。感染者が化合物を摂取することにより、飛沫を介したヒト-ヒト間の感染の拡大を抑制できる可能性が考えられる。本研究の成果は、今後さらに発生するかもしれない新興ウイルス感染症の発生時にその感染拡大を抑制する方策につながる可能性がある。
2: おおむね順調に進展している
ウイルスを不活化する新規化合物の生成条件を決定することできた。さらに抗ウイルス効果の高い新規化合物の分画濃縮に成功した。
当初の予定どおり、抗ウイルス効果が高い新規化合物を大量調製してその構造を決定する。さらに化合物がウイルスを不活化するメカニズムを解析する。また処理の方法を最適化する。
研究が当初の計画よりも早く進展したため、予定していた金額よりも少なくて済んだ。一方、当初の計画では想定していなかった、円安にともなう試薬や機器等の値上がりが、次年度以降の研究に影響すると予想されるので、本年度の直接経費の一部を来年度に使用することにした。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件)
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