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2023 年度 実施状況報告書

リン・ビタミンD代謝制御機構の統合的理解と新しいCKD-MBD栄養管理法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23K10946
研究機関仁愛大学

研究代表者

山本 浩範  仁愛大学, 人間生活学部, 教授 (60314861)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードリン / ビタミンD / CKD-MBD / 腎不全 / 栄養管理 / 重症化予防
研究実績の概要

慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常CKD-MBDでは、リン、ビタミンDなど疾患特異的な栄養代謝変化を考慮した新たな栄養管理法の開発が、病態の進展だけでなく合併症・重症化の予防にきわめて重要である。本研究では、リン・ビタミンD代謝制御機構の解明を行い、CKD-MBDを予防する新しい栄養管理法の確立を目的としている。本年度は、炎症時におけるリン・ビタミンD代謝の変動を明らかにするためリポ多糖(LPS)およびTNF-α を用いビタミンD 代謝関連遺伝子の発現変動を解析した。C57BL/6JマウスにLPS(E.coli 055B5; 2~20 mg/kg)を腹腔内投与した。その結果、血中リンおよびintact PTH 値は、LPS 用量および時間依存的に増加した。血中intact FGF23値は、LPS投与後3時間のみで増加し、C末端FGF23断片の血中レベルは、LPS投与1.5~9時間で著しく増加した。血中1,25(OH)2D濃度は、LPS投与では変化しなかったが、TNF-α投与において有意に上昇した。さらに定量PCR解析の結果、TNF-αにより腎臓のビタミンD合成酵素CYP27B1 mRNA発現が増加し、ビタミンD 異化酵素CYP24A1 mRNA発現が減少した。以上の結果から、急性の炎症状態においては、血中PTH、FGF23、1,25(OH)2D、リン濃度の変化が生じることが明らかになった。また、炎症状態は、腎外組織における1,25(OH)2D の産生だけでなく、腎臓の1,25(OH)2D 産生を亢進させ血中濃度を変化させることが示唆された。今後は高リン血症を呈する腎不全モデルマウスを用いて炎症因子が及ぼすリン・ビタミンD代謝変動について明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

疾患モデル動物を用いたリン感受性遺伝子群の発現変動を行う上で動物および特殊飼料の調整に時間を要している。また、患者サンプルの収集が予定通り行えていない状況である。

今後の研究の推進方策

引き続き、疾患モデル動物の作成を行い、リン感受性遺伝子群の発現変動を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

透析患者のリクルートが進まなかったこと、および疾患モデル動物の作成に時間を要したため、予定していた解析が行えなかったことが理由に挙げられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ビタミンD の代謝調節と体内時計の関与について2024

    • 著者名/発表者名
      山本 浩範、石黒 真理子、福田 詩織、中橋 乙起、田中 更沙、増田 真志、武田 英二、竹谷 豊
    • 雑誌名

      四国医学雑誌

      巻: 79 ページ: 209~214

    • DOI

      10.57444/shikokuactamedica.79.5.6_209

    • 査読あり
  • [学会発表] 高脂肪食・高リン負荷が血中25(OH)D濃度を低下させる2023

    • 著者名/発表者名
      望月緋那多、川上由香、芹澤美月、李鴿、阿力瑪、滝脇正貴、阿部健太郎、山本浩範、新井英一
    • 学会等名
      第70回 日本栄養改善学会学術総会

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公開日: 2024-12-25  

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