研究課題
幾何的に構成されたグラフについて,主に次の成果を得た.・平面上に描かれた曲線の族を遷移させる問題とそのグラフ版に対して,アルゴリズム理論および計算理論に基づく観点から研究を行った.特に,グラフに対して遷移可能性を判定する問題がPSPACE完全,つまり,効率よく解くことが難しそうであることを証明した.また,グラフが球面上に辺交差なく描け,さらに,曲線の族の端点が2つの面の境界に制限されるときには,遷移可能性を判定する問題が多項式時間アルゴリズムで解けることを証明した.この成果を査読付き国際会議ICALP 2023で発表した.・2次元球面の三角形分割における彩色を遷移させる問題に対して,アルゴリズム理論および計算理論に基づく観点から研究を行った,特に,Fiskによる2球面の3彩色可能三角形分割の4彩色がケンペ変換という規則によって遷移可能であるという結果を,ケンペ変換ではなく単変換という特殊なケンペ変換に制限したとき,4彩色が3彩色から遷移可能であるための必要十分条件を与え,その判定が線形時間で可能であることを証明した.また,その一般化として,5彩色同士がそのような変換で遷移できることを判定する問題がPSPACE完全,つまり,効率よく解くことが難しそうであることを証明した.この成果を査読付き国際会議SoCG 2023で発表した.
2: おおむね順調に進展している
幾何学的に構成されたグラフに対する結果を定評のある査読付き国際会議で発表することができた.また,それに続く結果も得ており,成果発表の準備をしているところである.
研究計画にあるとおり,幾何学的に構成されたグラフに対する研究を推進していく予定である.そのために,国内外の研究者の協力も仰ぐ予定である.
状況:2024年度に集中的な国際共同研究を行うように計画を変更したため,次年度使用額が生じた.使用計画:2024年度にスイスならびにオーストラリアにて国際共同研究を行う予定であり,その旅費として使用する.
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Proc. of 17th International Symposium on Combinatorial Search (SoCS 2024)
巻: -- ページ: 掲載予定
Proc. of 50th EATCS International Colloquium on Automata, Languages and Programming (ICALP 2023), Leibniz International Proceedings in Informatics
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