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2023 年度 実施状況報告書

統計的因果推論のための多重代入法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K11010
研究機関長崎大学

研究代表者

高橋 将宜  長崎大学, 情報データ科学部, 准教授 (50781861)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード統計的因果推論 / 多重代入法 / 欠測データ
研究実績の概要

研究実施計画で述べたとおり,多重代入法を用いた統計的因果推論の研究に関して,シミュレーションを実施して,その成果を学会で報告した.
特に,2023年経済統計学会第67回全国研究大会では,交絡因子と中間変数の要素が混在している説明変数について,一種の欠測データとみなす新たな考え方を導入して,多重代入法による解決策を提案した.統計数理研究所で実施された公的統計データを用いた機械学習やシミュレーションに基づく計量経済分析の新展開に関する小研究会では,トップコーディングされた公的統計匿名データを一種の欠測データとみなす新たな考え方を導入して,ベイジアン回帰モデルによる解決策を提案した.
また,計量生物学会・応用統計学会と人工知能学会セミナーでは,統計的因果推論に関するチュートリアルセミナーを実施して,研究コミュニティとの連携を強化した. 厚生労働省における統計研修や株式会社情報機構および日本テクノセンターのセミナーを通じて,官民への統計的因果推論の普及にも貢献した.さらに,「新型コロナの緊急事態宣言の身体活動に与える因果効果に関する共同研究」を実施して,論文を出版した.「統計的因果推論における欠測値の扱いの研究」の検討も開始し,ベイズ統計モデリングや計量経済学などの関連研究も実施した.
研究実施計画で述べたとおり,「新型コロナの緊急事態宣言の身体活動に与える因果効果に関する共同研究」を実施して,IF付きの学術雑誌から論文を出版した.「統計的因果推論における欠測値の扱いの研究」の検討も開始し,ベイズ統計モデリングや計量経済学などの関連研究も実施した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は,サーバ・パソコン・ディスプレイなどの機器を購入して研究環境を整備した.それと並行して,多重代入法を用いた統計的因果推論の研究に関してシミュレーションを実施して,その成果を学会で報告しており,この成果をもとにして,次年度にはさらなる展開につなげていく予定である.初年度には,すでに1編の関連論文を出版しており,関連した4件の学会報告を実施した.よって,研究はおおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

2023年度に実施した研究成果をもとに,2024年度には,研究実施計画で述べたとおり,多重代入法を用いた統計的因果推論の研究を実施する.得られた成果を学会で報告したり,研究論文として投稿したりする予定である.

次年度使用額が生じた理由

当初の計画では,統計関連学会連合大会および経済統計学会において研究成果を報告する予定であった.しかしながら,2023年度には,統計関連学会連合大会と経済統計学会の日程が被っており,経済統計学会の運営委員であったことから,経済統計学会にだけ参加をした.その結果,112,642円の次年度使用額が生じた.
2024年度には,統計関連学会連合大会および経済統計学会の日程も被っていないことから,経済統計学会だけでなく,昨年度に参加できなかった統計関連学会連合大会にも参加する予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Association between COVID-19 emergency declarations and physical activity among community-dwelling older adults enrolled in a physical activity measurement program: Evidence from a retrospective observational study using the regression discontinuity design2023

    • 著者名/発表者名
      Ippei Chiba (共同筆頭著者), Masayoshi Takahashi (共同筆頭著者), Sangyoon Lee, Seongryu Bae, Keitaro Makino, Osamu Katayama, Kenji Harada, Kouki Tomida, Masanori Morikawa, Yukari Yamashiro, Naoto Takayanagi, Motoki Sudo, and Hiroyuki Shimada
    • 雑誌名

      BMC Public Health

      巻: 23 ページ: 1, 12

    • DOI

      10.1186/s12889-023-15932-0

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] トップコーディングされた公的統計匿名データの解析:ベイジアン回帰モデルによる解決策の提案2024

    • 著者名/発表者名
      高橋 将宜
    • 学会等名
      公的統計データを用いた機械学習やシミュレーションに基づく計量経済分析の新展開(統計数理研究所)
    • 招待講演
  • [学会発表] 統計的因果推論の基本と応用2023

    • 著者名/発表者名
      高橋 将宜
    • 学会等名
      計量生物学会・応用統計学会チュートリアルセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 交絡因子と中間変数の要素が混在している説明変数の取り扱い方:多重代入法による解決策の提案2023

    • 著者名/発表者名
      高橋 将宜
    • 学会等名
      2023年経済統計学会第67回全国研究大会
  • [学会発表] 統計的に因果を推論するための基礎的な考え方2023

    • 著者名/発表者名
      高橋 将宜
    • 学会等名
      人工知能学会セミナー
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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