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2023 年度 実施状況報告書

保全生態学と水産資源学の統合を目指したモデル開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K11025
研究機関国立研究開発法人水産研究・教育機構

研究代表者

岡村 寛  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 主幹研究員 (40371942)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード絶滅リスク評価 / 密度依存効果 / 状態空間モデル / ブートストラップ法
研究実績の概要

水産資源の絶滅リスク評価のために,状態空間モデルを利用して,密度依存性を推定し,絶滅危機の閾値を推定する方法を確立した.さらに,いかなご資源に対して,環境の影響を考慮した絶滅リスク評価モデルを構築した.いかなご資源に対する絶滅リスク評価モデルでは,環境影響の考慮の有無によって,評価結果が大きく異なり,環境影響考慮の重要性が確認された.鯨類のような個体数推定値の数が少なく,推定値の値自体も小さい傾向がある種に対しての密度依存効果推定を含む個体群動態モデル適用のために,ブートストラップ法を用いたリスク評価手法の開発を行った.鯨類資源は,情報不足のためにいくつかの仮定をおいてリスク評価を行わければいけないが,その仮定の脆弱性をブートストラップ法で評価することにより,リスク評価の中に頑健性を取り込むようにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた環境の影響を合わせた絶滅リスク評価モデルの開発をいかなご資源データを利用して成し遂げることができた.モデルにはさらなる一般化が必要であると考えられるが,利用可能なデータが十分にあれば,環境の影響と漁業の影響を分離して,個体群の密度依存性を推定しながら,絶滅リスクを評価することが可能であることがわかった.また,データが不足している状況にある種に対して,ブートストラップ法により不確実性を考慮しながらリスクを評価する方法を開発することができた.これらのことから,計画通り順調に進んでいると考えられる.

今後の研究の推進方策

環境影響を取り入れた絶滅評価モデルに関して,さらなるブラッシュアップを行い,国際科学雑誌に論文投稿を行う.データ不足下でのブートストラップ法による絶滅評価手法について,シミュレーションを使用して性能の評価を行う.

次年度使用額が生じた理由

年度当初にコロナ感染の流行が続き,出張予定がキャンセルとなり,オンライン会議などで代用することになったため.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [学会発表] Red fish, pink fish, white fish: modeling stationary and non-stationary process simultaneously in fish population dynamics2023

    • 著者名/発表者名
      岡村 寛
    • 学会等名
      International Symposium: "Quantitative Ecological Modeling for Biodiversity, Conservation, and Management"
  • [学会・シンポジウム開催] International Symposium: "Quantitative Ecological Modeling for Biodiversity, Conservation, and Management"2023

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公開日: 2024-12-25  

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