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2023 年度 実施状況報告書

アプリケーションのエラー耐性を利用した高信頼回路設計およびテスト手法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K11037
研究機関広島市立大学

研究代表者

市原 英行  広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (50326427)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードError Tolerance / Approximate Computing / 信頼性 / LSI Testing / LSI CAD / Dependable Computing / 計算機システム
研究実績の概要

本研究ではエラーに耐性を持つアプリケーションのための論理回路(ETA 回路)の信頼性に着目し,高信頼設計法とテスト手法を提案することを目的としており,(P1) から (P4) の4つのサブテーマからなる.初年度は,決定論的計算法と確率的計算法の両方のアプローチに対して,(P1) ETA 回路の信頼性解析手法を確立することと,(P3) ETA 回路を実装した LSI を低コストでテストするための手法を開発することを行った.
(P1) においては,故障モデルの1つである縮退故障に基づいた信頼性モデルを用いて,決定論的計算法に基づくETA回路(ETA-DC)である補正機構付き近似乗算器を対象に,信頼性についての解析を行った.この結果から補正機構付き近似乗算器の信頼度を最適化する設計に関する知見を得ることができた.この結果は国内会議で発表し,その発展した内容は国際会議で発表を行った.
(P3) においては,ETA回路のテスト手法として大きく2つの成果を得た.1つは,物体認識を目的としたビデオデコーダ回路を対象とした無参照テスト手法の改良である.従来法に対して新しいテスト尺度を導入することで,テスト品質を向上できることを示した.この成果は国内研究会で発表を行った.もう1つは,(P1)でも扱った補正機構付き近似乗算器を対象に,検出する必要の無い許容故障を検出せずに検出する必要のある非許容故障だけをテストする方法(過剰テスト緩和法)の効果と,近似乗算器の設計パラーメタの関係を考察である.この結果から過剰テストを緩和し実行歩留まりを向上される最低な設計があることが明らかになった.この結果は国内研究会で報告し,現在国際会議に投稿している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定どおり,(P1) ETA 回路の信頼性解析手法を確立することと,(P3) ETA 回路を実装した LSI を低コストでテストするための手法を開発することができ,それぞれ成果発表を行ったため.

今後の研究の推進方策

次年度は当初の予定どおりサブテーマの(P1)と(P3)の研究を続け,より発展した成果を目指す.また,年度の後半からは, (P2) 高信頼 ETA 回路設計手法の確立と,(P4) ETA 回路のテスト容易化設計手法の確立に着手する予定である.

次年度使用額が生じた理由

参加した国際会議の1回が国内であり,予定より旅費が少なかったため.また,謝金を必要とするケースが今年度は発生しなかったため.
生じた次年度使用額は,今年度と同様に旅費および謝金として使用する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 近似乗算器の過剰テスト緩和のためのテスト生成に関する考察2024

    • 著者名/発表者名
      王麒霖, 市原英行, 井上智生
    • 学会等名
      電子情報通信学会ディペンダブルコンピューティング研究会
  • [学会発表] Reliability Analysis of Approximate Multipliers with Recovery Schemes2023

    • 著者名/発表者名
      Tamaki Kozuma, Qiling Wang, Hideyuki Ichihara, Tomoo Inoue
    • 学会等名
      IEEE Asian Test Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] A No-reference Test Method for Video Decoders in Object Detection Application2023

    • 著者名/発表者名
      Jin-Tsung Wu, Hideyuki Ichihara, Tomoo Inoue, Tong-Yu Hsieh
    • 学会等名
      電子情報通信学会 機能集積情報システム研究会

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公開日: 2024-12-25  

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