研究課題/領域番号 |
23K11041
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研究機関 | 湘南工科大学 |
研究代表者 |
三浦 康之 湘南工科大学, 情報学部, 教授 (40440292)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 計算機アーキテクチャ / 相互結合網 / ネットワークオンチップ |
研究実績の概要 |
二次元トーラス網は,並列処理の分野において最もよく知られた結合網の一つである.メッシュ網に関して,ターンモデルに基づく数多くのアルゴリズムが提案されている.これらをそのままの形でトーラス網に適用するとデッド・ロックが生じるため,二次元トーラス網におけるターンモデルの応用として,North-First (NF)法とSouth-First (SF)法の組み合わせであるNorth-South First (NSF)法が提案されている.我々は、2次元トーラスネットワークにおけるフォールトトレラントなルーティング・アルゴリズムとしてNorth-South First Fault Tolerant (NFS-FT)を研究している。NFS-FTは、最終ステージにTurn modelの一種であるSouth First(SF)法を用いることで、耐故障性を向上しているものの、通常のSF法は、すべての非故障ノードの通信可能性を保証する完全耐故障性を有していない。 そこで、NFS-FT のための手法として、South First(SF)法に基づいたメッシュ網のための耐故障ルーティングアルゴリズムSouth First Fault Tolerant (SF-FT)の検討を行った。 提案手法は、Faulty Regionによる手法の一種であり、South First(SF)法を拡張したアルゴリズムである。本手法は、予め実行される到達可能性の確認により、結合網自体が到達可能性を有するかを確認することが可能であり、到達可能性が確認された結合網においてはパケットがデッド・ロックを起こすことなく、すべてのノード間の通信が可能であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、提案手法の一部であるメッシュのルーティング・アルゴリズムの提案を行う予定となっていた。当該年度において、ルーティング・アルゴリズムの提案に加えて、デッド・ロック・フリーの証明、シミュレーションによる性能評価を行った他、実装法の一部検討まで進めることができた。当初予定では、証明や性能評価、実装法の検討は2年目以降を予定しており、これらを1年目に達成したことは、当初の予定以上に進展していると考えることができる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、実装法に関する検討を進めると同時に、トーラス網への適用を検討する。基本的には、NSF-FT法の最終ステージのルーティングをSF法からSF-FTに置き換えることにより実現可能と考えられるが、シミュレータの実装に時間が掛かることから、およそ1年程度を必要とすることが想定される。ルーティング・アルゴリズム、および実装法の検討を行った後に、ハードウェア・コストおよび遅延時間に関する検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
23年度は、物品費の請求が遅れたため、既存の機材を使用した実験を行ったものの、機材の性能が悪く支障が生じた。本件は24年度初頭に執行を行う。また、初年度は学会発表等が少なめであったため、旅費の支出が想定より少なかった。24年度は23年度に比べて発表の機会が増えるため、支出が増加する予定となっている。
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