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2023 年度 実施状況報告書

雑音付加によるソフトウェア信頼性予測方法の提案及びツール開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K11050
研究機関東京都立大学

研究代表者

肖 霄  東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (30707477)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードソフトウェア信頼性 / ツール開発 / 機械学習 / ウェーブレット / 雑音のモデリング
研究実績の概要

本研究の目的は,雑音付加によるソフトウェア信頼性予測方法の提案及びソフトウェア開発プロジェクト管理支援ツールの開発である.具体的には,ソフトウェア開発プロジェクトのテスト段階で得られる故障データから,確率法則に基づいたモデリングにより,確率分布の特徴量及び雑音に関する情報を分離し,それぞれについて機械学習を用いて予測を行う.雑音に関する情報を確率分布の特徴量に付加することでソフトウェア信頼性尺度を導出し,ソフトウェア故障の将来における振る舞いを予測する.また,提案方法を実装し,研究者・技術者向けにはRパッケージの形で,一般ユーザ向けにはオンライン利用可能な形で,ソフトウェア開発のプロジェクト管理における意思決定等に判断基準を提供するツールを開発する.
本研究の目的を達成するために,初年度では,(a)雑音に関する情報の特定と,(b)確率分布の特徴量と雑音の分離に焦点をあて進めてきた.具体的には,確率統計学分野及び応用工学分野の関連文献を調査し,データに含まれる雑音は,ウェーブレット係数を閾値法によって処理する際の差分か,それともデータと確率分布の特徴量の推定値の差分かを明らかにした.また,ソフトウェア故障発生数データを解析対象とし,ウェーブレット縮小推定(WSE)によってモデル推定を行い,その出力として確率分布の特徴量の推定値および雑音に関する情報を時系列として得た.WSEによる雑音抽出の可能性を明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に得られる研究成果についてさらなる検証を行う必要があるが,2年度目以降に予定している取り組みを部分的に開始し,一定程度の研究成果が得られたことから,本研究課題の進捗情報は,おおむね順調に進展していると考える.
具体的には,2年度目に予定している雑音の性質の検証に必要不可欠と思われる,確率過程のシミュレーション方法に関する調査を行い,ソフトウェア信頼性評価のために工夫を加えたシミュレーション方法を提案した.一部の研究結果は査読付き論文として投稿済であり,2年度目の早い段階に採録される見込みである.また,最終年度に完成を目標としているツール開発を念頭におき,これまでのソフトウェア信頼性評価ツールについて調査を行った.その成果はElsevier社が出版する図書に収録され,2年度目に出版予定である.

今後の研究の推進方策

当初計画とおり, (c)雑音の確率統計的性質の検証と,(d)ニューラルネットワークによる予測に焦点をあて進める予定である.
具体的には,WSEによって抽出された雑音に関する情報は閾値法に大きく影響されるため,論理的合理性の観点から優位にある閾値法と閾値の組み合わせを同定し,正規分布に従うかについて統計的検定を行うことにより,雑音が「正しく」抽出されたかを確認し,WSEによる雑音抽出の妥当性を明らかにする.また,確率分布の特徴量の推定値と雑音に関する情報のそれぞれにニューラルネットワークを適応し予測を行う.RNNを基本とし,長期記憶を持たせたLSTM-RNNや一部の情報に注意を向けさせるAttention-RNNなど,様々なアルゴリズムを候補に選ぶ.ニューラルネットワークの計算コストが高い点を念頭に,効率的な算出アルゴリズムを構築し,大規模数値実験を行うことにより,従来手法と比較した際の本研究の優位性を明らかにする.

次年度使用額が生じた理由

(理由)
研究代表者の私的事情により,宿泊の伴う出張が難しい状況にあったため,初年度に予定していた国外における成果発表および研究調査にかかわる旅費が未使用になっている.
(使用計画)
初年度にできなかった国外における成果発表および研究調査を次年度に行うことにより,初年度の未使用額を使用する予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Predicting the number of software faults using wavelets and nonlinear regression2024

    • 著者名/発表者名
      K. Matsui and X. Xiao
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会-2024年春季研究発表会アブストラクト集
  • [学会発表] ブートストラップ法を利用したソフトウェア信頼性の区間評価2024

    • 著者名/発表者名
      大岩 謙斗,肖 霄
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会-2024年春季研究発表会アブストラクト集
  • [学会発表] Software reliability prediction via neural network2023

    • 著者名/発表者名
      W. Zama and X. Xiao
    • 学会等名
      Proceedings of the IEEE 34th International Symposium on Software Reliability Engineering Workshops (ISSREW2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] Application of Wavelet Shrinkage estimation in software reliability prediction using neural network2023

    • 著者名/発表者名
      W. Zama and X. Xiao
    • 学会等名
      IEICE Technical Report-Reliability
  • [図書] Developments in Reliability Engineering (Editor: Mangey Ram) - Chapter 19: Survey of software reliability assessment tool2024

    • 著者名/発表者名
      X. Xiao, H. Okamura and T. Dohi
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      Elsevier
    • ISBN
      9780443132421

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公開日: 2024-12-25  

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