研究課題/領域番号 |
23K11054
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
滝本 宗宏 東京理科大学, 創域理工学部情報計算科学科, 教授 (00318205)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 人工知能 / 帰納論理プログラミング / 群知能 / 粒子群最適化 / 説明可能AI / ILP / XAI / PSO |
研究実績の概要 |
本研究は,今後説明可能AIとして重要と考えられる論理型AIの一種である帰納論理プログラミング(ILP) を,社会性生物の振舞いを真似た群知能の1つである粒子群最適化(PSO)に基づいて設計し直し,粒子の処理を並列化することによって,実践的なILP システムを実現することが目的である.2023年度は,ILPを高速化する要素となる,群知能と並列化について広く文献を調査し,予備実験を行った.群知能としては,PSO と,他の類似手法である重力探索アルゴリズム(GSA)について調査を行い,グラフ探索についてプロトタイプを実装し,振舞いを確認した.PSOとGSAの素朴な実装で予備実験を行った結果,GSAの結果への収束が早いことが判明したが,PSOの実装の工夫で,差が縮まる可能性があることも分かった.また,ILPの集合被覆アルゴリズムをマルチコアに基づいて並列化し,予備実験を行った.集合被覆アルゴリズムのマルチコア並列化の実現は,高速化が期待できる一方で,先に見つかった仮説が他の事例を被覆するか確認する部分に同期処理が必要であり,そのオーバヘッドが大きいことも判明した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で重要な,ILPを高速化する要素である,群知能と並列化について,予備実験を実施し,その効果と問題点について確認できたことから,順調に進んでいると言える.ただ,今後の進め方の検討材料にするために,PSOと類似のGSAとの振舞いの違いを確認することを優先し,群知能と並列化の組合せについての調査が予備実験に至らなかった点を考慮し,「おおむね順調」と評価した.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,群知能と並列化を組合せたILPの拡張を実現し,振舞いを調整することが中心となる.時間に余裕があれば,群知能部分について,PSOによる実現とGSAによる実現を用意し,アルゴリズムの違いを考慮した調整が実現できるとよいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度の予算には,システムを評価するPCの購入費が含まれていたが,当該年度の評価は,予備実験にとどまったことから,既存のPCで進めることができた.次年度は,本格的なシステム実現の段階に入るので,評価用のPCを新たに購入予定である.
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