研究課題/領域番号 |
23K11063
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
李 鶴 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40759891)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | IoT / 超低消費電力 / RISC-V |
研究実績の概要 |
令和5年度にの超低消費電力IoT構築について、以下3つの項目を展開した。 1.低消費電力IoTプラットフォームの開発:超低消費電力IoTプラットフォームには、RISC-Vチップを中心とするハードウェア層を設計する。RISC-V開発基盤のGPIO(General-Purpose Input/Output)とIoTサラウンドモジュールを接続、IoT対応の設備、センサー等を操作可能である。より低い消費電力のため、通信モジュールをUART(Universal Asynchronous Receiver-Transmitter)でIoTプラットフォームと接続する。 2.ヘテロジニアス低消費電力ネットワークの開発:各低消費電力ネットワークプロトコルのMAC層とIPv6ネットワーク層の間をユニバーサルプロトコル層が追加される。すべてのIoTデバイスはIPv6ネットワークに編成され、異なるネットワーク接続間のデータ転送をサポートする。 3.分散型超低消費電力IoTサービスアーキテクチャの開発:軽量のDockerベースのアーキテクチャがIoTハブデバイスで開発され、複数のタスク管理をサポートする。各超低消費電力IoTサービスのステータスがデバイスとIoTハブデバイスで同期され共同作業できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度には、当初の予定通りこれらの計画を順調に実行できた。研究成果の一部は、IEEE Wireless Communications、IEEE Transactions on Green Communications and Networking、IEEE Transactions on Network and Service Managementなどの権威ある学術誌に掲載され、またThe 20th International Wireless Communications & Mobile Computing Conferenceなどの学会で発表される予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の超低消費電力IoT構築について、以下2つの項目を推進する。 1.低消費電力IoTプラットフォームの開発:複雑なタスクの処理をサポートするためのフル機能のオペレーティングシステムが必要である。Linuxカーネルをトリミングしてサイズを変更することにより、RISC-Vベースの開発ボードで軽量OS層を開発する。OS層の上に多様な超低消費電力IoTアプリケーションをサポートするため、IoTアプリケーションミドルウェアを開発する。 2.ヘテロジニアス低消費電力ネットワークの開発:ネットワークルーティングストラテジーは、最小限のエネルギー消費でIoTネットワーク内のネットワークパッケージを転送して、ネットワークの動作寿命を改善するように設計される。したがって、ルーティングストラテジーでは、バッテリー情報と厳格なトラフィックコントロールも考慮される。同時に、平時の期間中はサービス品質(QoS)が主要なオブジェクトである。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 低消費電力IoTプラットフォームの構築でRISC-V開発基盤等のデバイスを購入する予定である。また、世界的に影響力がある国際学会で研究成果発表を予定している。 (使用計画) 当初の予定通り、令和6年度は、引き続きRISC-Vの開発を行うと同時に、ネットワーク構築用の実機実験に対応するため、プロトタイプシステム開発用のWiFi HaLowモジュールやUWBモジュールおよび高性能なLoRa基地局3台を計上する。また、随時研究成果を発表するため、令和6度にそれぞれ国際学会への論文投稿を計画しており、そのための登録料を計上し、国際学会開催予定である令和6、令和7年度にそれぞれ旅費を計上している。
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