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2023 年度 実施状況報告書

組織内ネットワーク消費電力削減のためのSDNスイッチ間通信速度切替方式の拡張

研究課題

研究課題/領域番号 23K11081
研究機関筑波大学

研究代表者

木村 成伴  筑波大学, システム情報系, 准教授 (20272180)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
キーワード省電力化 / 通信速度切替方式 / 組織内ネットワーク / SDN
研究実績の概要

これまで,研究代表者らは大学などの組織が所有する組織内ネットワークの消費電力削減のためのSDN (Software Defined Network)スイッチ間速度切替方式を開発してきた.この組織内ネットワークは,2つの拠点をそれぞれつなぐOpenFlowスイッチ (SW1, SW2) と外部ネットワークへのゲートウェイとなるOpenFlowスイッチ (SW3) から構成され,これらのスイッチ同士を互いに接続している.初期状態では,消費電力を下げるため,すべてのリンクは低速度(最大1Gbps) にしておく.そして,通信量が増えると高速度(最大10Gbps)に切り替えるが,その中間の速度として,SDNで複数の経路を束ねた接続を提供する.この方式により,何も対策しない場合と比べて,その消費電力が削減できることを,実機を用いた通信実験により示している.しかし,ここで可能な通信は拠点と外部ネットワークの間のみであり,拠点間の通信はできなかった.また,拠点は2か所しかなく,実験ネットワークにおけるスイッチ間の接続は銅線(最大100mまでしか伸ばせないので,通常は光ファイバで接続する)を用いているといった課題があった.
そこで初年度の研究では,この通信速度切替方式の課題のうち,組織内の拠点間の通信を可能とする拡張に取り組んだ.この拡張により,OpenFlowスイッチのフローテーブルでパケットのDSCP (Differentiated Services Code Point)の値と宛先IPアドレスを参照してフローを制御することで,拠点間(例えば,SW1→SW2)の通信であっても,最短経路のフローSW1→SW2と,SW3を介したリンクをバイパスとしたフローSW1→SW3→SW2を束ねた接続による中間帯域を提供することで消費電力削減も達成できることを示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

通信量に応じて切り替えた通信経路ごとの消費電力は実機で測定しており,提案方式が機能すれば,消費電力を削減できることは疑いないと考えている.しかし,OpenFlowネットワークでの提案方式による経路切り替えがうまく機能しておらず,その点を修正する必要があることから,おおむね順調とした.

今後の研究の推進方策

まず,提案方式による経路切り替えがうまく機能しない原因を改良し,OpenFlowネットワークで機能させたときの消費電力を測定する.このとき,スイッチ間の接続はまだ銅線を用いているので,光ファイバに変更して実験を行うことも検討している.

次年度使用額が生じた理由

導入する予定だった光ファイバケーブルとこれを接続するNIC (Network Interface Card)が遅れたため.拠点を増やすことも考慮して,測定に必要な拠点分の拠点とゲートウェイ (もしくは,スイッチ) 間の光ファイバケーブルとNICを購入していく予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 省電力化のためのトラフィック分割方式に基づくサイト間通信を考慮したスイッチ間帯域切り替え方式2024

    • 著者名/発表者名
      井田学
    • 雑誌名

      筑波大学大学院博士課程理工情報生命学術院システム情報工学研究群修士論文

      ページ: 1-31

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公開日: 2024-12-25  

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