研究課題/領域番号 |
23K11156
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
中村 和幸 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (40462171)
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研究分担者 |
越智 小枝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20811904)
宮坂 政紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60911154)
井上 雅世 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60713344)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 根拠可視化 / Grad-CAM |
研究実績の概要 |
検討項目の一つである「識別問題と回帰問題に存在するデータ分布の違いの把握」について、画像を入力とした場合の回帰問題における出力値を階級化して識別問題とした場合を考慮し、その結果の違いや有効性について検討を進めた。回帰問題においては、出力分布がモードの少ない連続型の分布で近似できるケースが多く、この場合は多クラスの識別とする必要があるが、このことを実データを通じて確認した。 別の項目である「データ分布の違いがどのように顕著性マップにおける特徴の違いを生み出しているかの解明」については、事前検討として、類似性と異質性の両者を持っているネットワークの比較という観点で検討を進めた。具体的には、単純なCNN構造とU-net構造の両者について、CAM系手法を実装し、可視化した際の違いについて検討した。適用対象は、まずは自然画像ではなく多変量時系列データを画像化した構造を持つ画像とした。これは、自然画像と比較して特徴が顕著となること、研究グループメンバーによる医療を中心とした応用の観点からの有効性検討が可能であるためである。適用の結果、CNN構造では時系列の同時生起関係を適切にとらえた顕著性マップが得られた一方で、U-net構造とすると、単一時系列の構造をより重視する傾向のマップが得られ、同時生起の検出の観点では U-net 構造はやや有効性に欠けるという示唆を得ることができた。以上の結果は、データ分布の違いが顕著性マップに及ぼす影響を間接的に反映したものといえる。 これに加えて、2次元時系列を画像に変換したデータに対するGANベース異常検知手法について、適切な画像変換法により異常検知能力が上がること、またその理由となっている部分の可視化結果を得られることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画全体のうち、データ分布の違いの検討や顕著性マップに関する検討については当初計画よりも進捗している一方、数理的構造の検討はやや遅れており、全般としてはおおむね順調であると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
「データ分布の違いがどのように顕著性マップにおける特徴の違いを生み出しているかの解明」については、事前検討の内容を踏まえ、データ分布を変更しながら、分布の違いに起因する可視化結果の違いに関する検討を進めるとともに、応用の観点での有効性の検討も進める。数理構造分析については、前項で得られたネットワーク構造の違いに起因する顕著性マップの違いも考慮にいれながら検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初想定していた研究補助者によるデータ整備ならびに分析補助について、当初予定した補助者による補助が難しくなったことから、関連する費用の未使用分が生じた。当該補助については翌年度に実施を予定しており、未使用分を当該補助ならびにそのために必要な物品費として使用する。
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