研究課題/領域番号 |
23K11179
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
藤田 欣也 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30209051)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ヒューマンインタフェース / 知的生産性 / 集中度 / 誤打鍵 / 認知時間 |
研究実績の概要 |
これまでの研究で蓄積してきた集中度の統制ノウハウを活用し,通常条件,副課題を課す二重課題条件,眠気と疲労を誘発する精神疲労条件の3条件で,実験参加者にかなテキストを漢字に変換しながら書き写す課題を行わせた際の打鍵情報を分析した.その結果,かな入力テキストを漢字に変換してから確定させるまでのかな漢字変換結果確認時間は,副課題や精神疲労などによって集中度が低下すると数10ms程度増加するという新たな知見が得られたため,電子情報通信学会英文論文誌に投稿した. 他方,かな漢字変換結果確認時間は集中度一定でも大きなばらつきを有するため,実時間推定のための指標としては適さないことも明らかになった.さらに,その原因として,変換文字列の出現頻度などに起因する変換結果の予測可能性が考えられた.そこで,事象の発生が予測困難な誤打鍵に着目し,誤打鍵の発生からそれを認知して修正するまでの誤打鍵認知時間と集中度の関係を新たに分析した.その結果,集中度が低下すると誤打鍵認知時間が数10ms程度増加する可能性が示唆された.しかし,かな漢字変換結果と同様に,同一集中度条件であっても数100msにおよぶばらつきを持つことが観察された.そこで詳細な分析を行ったところ,誤打鍵から修正までの間の打鍵数が多いほど誤打鍵認知時間が増加することや,誤打鍵から修正までの間に視線移動があると増加する傾向がうかがわれたため,これらの知見をヒューマンインタフェースシンポジウム等で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に従い,発生を予測することが不可能な事象である誤打鍵を認知して修正するまでの時間の分析を実施できたこと,また,予想に合致する集中度の低下によって誤打鍵認知時間が増加する可能性が得られたことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,誤打鍵認知時間に関する実験と分析を実施する.特に,誤打鍵認知時間に当初の想定よりも大きなばらつきが認められたことから,誤打鍵から修正までの間の打鍵数や視線移動だけでなく様々な影響要因を検証することで,より精密な集中度との関連性を明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
申請当初に計画していた国際会議とは異なり,令和6年度に開催される国際会議で発表することになったため.また,既に収集した打鍵記録の分析を優先し,被験者実験の実施が令和6年度にずれこんだため. 当該予算は,令和6年度の国際会議参加のための参加費及び海外出張旅費,ならびに被験者実験のための謝金や消耗品費として執行する予定である.
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