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2023 年度 実施状況報告書

深層学習とデータ同化に基づく放射線核種と強度分布の同時推定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K11249
研究機関香川大学

研究代表者

藤本 憲市  香川大学, 創造工学部, 教授 (20300626)

研究分担者 阪間 稔  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20325294)
村井 礼  山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (30279111)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード放射線強度分布推定 / 核種推定 / 線形逆問題
研究実績の概要

土壌内の放射性核種とその強度分布を両方推定できる可搬型放射能分布測定システムを開発するため,光子(放射線)飛跡計算ツールから得られる放射線観測過程数理モデルに実測した放射線エネルギースペクトルデータを同化させ,その数理モデルから生成される放射線エネルギースペクトルデータを精度よく学習できる深層ニューラルネットワークを構築することが本研究の目的である。
令和5年度は,内径5cm,外径12cm,高さ2.5cmのドーナツ型トレーを20個積層し,それら中央の空洞部分に棒状放射線センサーを配置した円柱形模擬実験場の3次元CADデータに基づいて,光子飛跡シミュレータ用設定プログラムを再作成した。その際,先行研究で構築したシミュレーション環境よりも高精度かつ高速なシミュレーションを可能とするため,3次元領域データを表現するための四面体メッシュ構造を改良したとともに,計算の効率性を向上させるための2段階計算法(ダンプ機能)も取り入れた。
光子飛跡計算ツールを用いた数値シミュレーション結果から,土壌の各層における放射線センサが,土壌内のある特定の層に埋め込まれた単一核種から放射する光子(放射線)を観測する数理モデルを構築することができる。このアイデアに基づいて,複数の核種が混在した土壌内で測定される放射線エネルギースペクトルから核種ごとの放射線強度分布を推定する問題を線形逆問題として定式化した。更に,トイプロブレムに対する予備実験をとおして,核種ごとの放射線強度分布が推定できることを実験的に検証した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

光子飛跡シミュレータ用の設定プログラムを改良し,高精度かつ高速な数値シミュレーションを可能とした。また,複数の核種が混在した土壌内で測定される放射線エネルギースペクトルから,核種ごとの放射線強度分布を推定する問題を線形逆問題として定式化した。更に,トイプロブレムに対する予備実験をとおして,核種ごとの放射線強度分布が推定できることを実験的に検証した。これらより,本研究はおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

まずは,光子飛跡計算ツールを用いて,円柱形模擬実験場における放射線観測過程の数理モデルを構築する。次に,棒状放射能測定器を保有する研究協力者の下で放射能測定実験を行い,放射線観測過程数理モデルに融合させる。もし放射能測定実験の実施が困難となった場合は,光子飛跡シミュレーションデータと実測データとの融合に関する研究の順序を下げ,光子飛跡シミュレーションデータ拡張システム及び放射線強度分布推定用深層ニューラルネットワークの構築に関する研究を先行させる。

次年度使用額が生じた理由

本研究計画時に計算用GPU装置の調達を予定していたものの,物価高騰に伴いGPU装置の調達計画に変更が生じた。また,都合により放射能測定実験の実施が叶わず,国内旅費の使用計画に変更が生じた。これらのことから次年度使用額が生じた。この次年度使用額は,計算装置の調達並びに,放射能測定実験及び研究成果発表のための旅費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 土壌内の放射線強度分布と核種の推定問題に関する基礎的検討2024

    • 著者名/発表者名
      野久保 翔方, 藤本 憲市, 阪間 稔, 井上 一雅, 福士 政広, 今城 裕介, 遠藤 倫崇
    • 学会等名
      令和6年電気学会全国大会

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公開日: 2024-12-25  

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