研究課題/領域番号 |
23K11287
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
下川原 英理 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (00453035)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ヒューマン・ロボット・インタラクション / コミュニケーションロボット / 愛着行動 / コミュニティ |
研究実績の概要 |
本年度はロボット植物ComuRop(Community-centric Robotized Plants)のマルコフ情動モデルを基に,土壌水分量および土壌表面の水分からなる内的状態と,水やりや葉水,人検知などの外的要因を組み合わせた,愛着行動生成モデルを実装し,シミュレーションによる検証をおこなった.さらに実際の環境で実際の植物に適用し動作確認をおこない,情動モデルによるより生物らしい反応がみられることを確認した.育成者の認識手法としてカメラ画像による人検出および人認識を実装し,ComuRopの前を横切る人に対して育成者のみに反応する機能を実装した.また実際に4名の参加者を選定し2週間の実験を実施したものの,実験時期が年末年始と重なったこと実験参加者の疾病などが重なり,十分な検証には至らなかった.コミュニティを構成する複数ユーザの行動ログを収集するために,2台の室内カメラによって複数の人の3次元骨格情報を収集し,ファジィ推論によって立位および座位姿勢の推定を可能にした.さらに植物からの表現方法として非自然言語を用いた発話を導入し,クラウドソーシングを用いて,人がある程度感情や発話内容を推定可能であることを示した.今後,ComuRopの行動モデルに対し強化学習の一つであるMDQN(Multimodal-Deep-Q-Network)の適用し,コミュニティ毎に個性を持ったComuRopを実現を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画どおりマルコフ情動モデルの実装がおわり,強化学習に導入へと進んでいる.植物を利用しているため,長期の実証検証が必要であり時期やタイミングなどを選ばなければならないが,シミュレーションによる検証を併用することで,計画どおりに進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
マルコフ情動モデルの実装が完了し,今後,強化学習の導入へと研究をすすめていく.関連研究調査の結果,複数のセンサ入力を考慮したMDQN(Multimodal-Deep-Q-Network)を利用することとし実装を進めている.
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金および旅費に関して,実験参加者にボランティアで参加してもらったことや,検証の一部をクラウドソーシングを用いて実施したことで費用を抑えることができ,その分を次年度の研究を円滑にすすめるための繰越とした.
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