研究課題/領域番号 |
23K11292
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
板井 陽俊 中部大学, 工学部, 講師 (10551971)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | SSVEP / 注意 / リラックス / VR |
研究実績の概要 |
本年度の計画では,周期的に点滅する視覚刺激へ注意を向けた際に誘発される脳波(SSVEP)と,注意を反映する微細な眼球運動(MSC)を同時に計測するシステムを構築し,SSVEPが誘発されやすい被験者群とされにくい被験者群を選択する計画になっていた.しかし,予定されていた眼球計測装置の導入が困難となったため,脳波計を用いたSSVEP計測,SSVEPと眼球計測環境の最適化を主に行った. 本研究の目的であるSSVEPと眼球情報の同時計測について,1.従来の平面ディスプレイによる実験,2.不要な刺激の排除が可能なVR空間内による実験,のどちらが良好な結果が得られるか検証するため,現実空間内のSSVEP誘発実験環境を模倣したVR空間を構築し,脳波計測実験を行った.その結果,VR空間においても良好なSSVEP誘発は実現可能であることを示した. さらに,実験中の被験者の感情やリラックス状態によりSSVEP誘発に影響が現れ,本研究の目的の妨げにならないか検証を行った.音楽によるリラックス状態と,計算課題による負荷状態を被験者に誘発させ,双方の状態を保ったままSSVEP誘発実験を行った.その結果,負荷状態の方がSSVEPがより誘発されることを示した.そのため,実験時の負荷状態を一定にする必要があることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SSVEPと大きな眼球運動(サッカード)の計測環境は構築できたが,本研究の目的である微細な眼球運動であるMSCの計測には至らなかった.原因としては,予定されていた計測機器の導入が困難となったことがあげられる.一方,研究計画を見直すと同時に,計画段階にて提案された液晶モニタとVR環境との比較による計測環境の最適化,注意以外のSSVEPに影響を与える要素である感情がSSVEPに与える影響について研究を行い,有意義な成果が得られたことから,やや遅れていると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
MSCの計測機器の導入次第,SSVEPとMSCの同時計測を実行する.一方,計測機器の導入が難しくなることを想定し,高速カメラを利用したMSC計測装置の開発についても考慮に入れている.先年のSSVEP計測実験により誘発される被験者とされにくい被験者の分類は進んでいるため,速やかな計測と解析を行う準備ができている.また,申請者のみでは計測を行う時間に制限があるため,大学院生に験者として参加を打診し,速やかに計測を完了することを予定している.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会聴講,発表はハイブリッド開催となり,遠隔参加したことから旅費の執行額が予定を下回った.また,2023年度購入予定であった眼球運動計測装置が導入困難となったため,2024年度に導入すべく,2023年度に圧縮された旅費と合わせ,次年度に執行する計画となっている.
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