研究課題/領域番号 |
23K11343
|
研究機関 | 大阪総合保育大学 |
研究代表者 |
大脇 万起子 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (00280008)
|
研究分担者 |
竹村 匡正 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (40362496)
中村 由美子 横浜創英大学, 看護学部, 教授 (60198249)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 自然対話システム / 産後うつ病予防 / 母親 / 積極的傾聴 / 支援方法の開発 / 生成AI |
研究実績の概要 |
昨今、生成AIの進化が著しい中、本研究において、一からアプリケーションの開発を行うよりも、一部、既存の対話型AI搭載の市販機器やChat GPTなどの生成AI大規模言語モデルを活用した試行を行う方が、成果を得られると考え取り組んだ。その結果、研究者が、本研究の目的に叶うプロンプトを準備し、Chat GPTの活用を行うことが本研究の目的達成を迅速にするとの結論に至った。なお、Chat GPTと連携した既存の対話型AI市販機器を試用したが、活用可能なものは見いだせなかった。現在、Chat GPTを活用するため、産後うつ病のリスクを抱える母親を支援するための「対話システム」の構築に役立つプロンプトの完成に重点をおいた研究を行っている。 様々な試作プロンプトを用いた対話を試行した結果、現時点ではChat GPTの医療データが米国内のデータが中心であるとの推測ができ、米国の専門職者の実態を意識したプロンプトを準備したところ、パイロット・スタディにおいて、期待する対話が可能になるとの見通しを得ている。 具体的には、心理職者や医療職者の知識を引き出せる可能性のあるプロンプトを考えつく限り多数準備し、「対話システム」の応答を観察した。プロンプトを米国の医療職者の業務実態を意識したものにすると、かなりの確率で、適切な質疑応答が可能となり、プロンプトによる対話システムの制御可能性が明らかになった。次年度の前半で、プロンプトの最終調整を行うとともに、応答の適切さを評価できる指標を考案する。後半では、前半で開発したChat GPT活用アプリケーションを用いて、産後うつ病のリスクを回避するアプローチが最も有効になるとされている3か月未満の乳児を育児する母親に使用したシステムの臨床的評価を計画している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究方法を一部変更しているが、研究目的は概ね計画とおり、達成できていっている。
|
今後の研究の推進方策 |
進化の著しい生成AIの大規模言語モデルを活用しながら、当初の研究目的の達成を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定予算の繰越が生じた理由は、1)既に所有している物品使用で概ね研究が可能であった。 2)研究者間の活動・連携のみが必要な研究段階にあって、研究者2名はメールやネット会議のみで研究が実施でき、移動を必要とする研究者が1名のみであった。3)研究者以外への作業依頼が今年度は不要になった。の3点である。 次年度においては、研究者以外への作業依頼が生じる予定であり、繰越をした研究費はその謝金などとして、使用する予定である。
|