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2023 年度 実施状況報告書

SNSメディアリテラシー教育における評価指標としての信頼度とシェア行動の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23K11349
研究機関広島大学

研究代表者

匹田 篤  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50335642)

研究分担者 稲垣 知宏  広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (80301307)
山口 梨江  比治山大学, 現代文化学部, 助教 (30882063)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードメディアリテラシー教育 / シリアスゲーム / 態度形成
研究実績の概要

2023年度は、大学初年次生2000人を対象に、SNSシミュレータ利用の前後におけるシミュレータ内での行動の変化、および利用前後の記事解釈の自信の変化のデータを収集した。それをもとに、学習者の記事解釈の自信の変化とシェア行動の変化の分析を行った。
また、研究分担者、研究協力者とのオンラインおよび対面のミーティングを計6回おこない、シミュレータを用いた教育の方法と効果について、常に情報共有、作業の進捗管理をおこなった。
その結果、シミュレータの体験が過剰な自信を抑制する効果があることが明らかになった。この抑制効果が、知識や技術の習得なのか、態度形成によるものなのか、についてアンケート結果の分析などから検討した。知識や技術の習得を伴わない可能性が高いことから、態度形成による可能性が高いと結論づけた。
結果については、AXIES2023(2023.12名古屋)および、OCCE2024(2024.2英国ボーンマス)にて発表をおこない、議論を深めた。シミュレータを用いた教育について、参加者と議論を深めた。特に国際会議において、スイスやスペイン、フランスなどIFIP国際情報学連盟におけるコンピュータと教育の研究者と意見交換をおこない、ゲームベースドラーニングや、リテラシー教育の一環として、共同研究への道筋をつけた。
そのうえで、SNSシミュレータを海外の研究者にも提供し使ってもらうために、英語化と英語コンテンツの収集を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、大学初年次生2000人を対象に、SNSシミュレータによるデータ収集を行った。シミュレータの行動記録とアンケート形式による学習者のSNSの記事読み書きへの自信について、それぞれの学習者に記入してもらい、SNSの事前と事後における学習者の記事解釈の自信の変化とシェア行動の変化の分析を行った。
その結果、シミュレータの体験が過剰な自信を抑制する効果があることがわかった。この傾向が態度形成によるものだとする可能性を見出した。一方で、SNSの記事解釈に自身のないグループについては、より積極的に利用する傾向がみられた。
この結果について、AXIES2023(2023.12名古屋)および、OCCE2024(2024.2英国ボーンマス)にて報告をおこなった。
また、フェイクニュースを見極める割合、積極的に投稿をシェアする割合が、態度形成の把握に利用できる可能性について、さらに、議論を進めている。
特に国際会議においては、スイスやスペイン、フランスなどIFIP国際情報学連盟におけるコンピュータと教育の研究者と意見交換をおこない、ゲームベースドラーニングや、リテラシー教育の一環として、共同研究への道筋をつけた。ジュネーブ大学との国際共同研究の可能性を現在模索している。この点は予定以上の進展である。
そのこともあり、2023年度はSNSシミュレータの英語化と英語コンテンツの収集も進め、提供できる段階まで仕上げた。その一方で操作マニュアルなどはの外国語対応については、2024年度引き続いておこなう。

今後の研究の推進方策

2024年度は、フェイクニュースを見極める割合、積極的に投稿をシェアする割合について、態度形成の尺度としての利用可能性の検討を行う。シミュレータの変更は軽微なものにとどめつつ、アンケート項目の追加、自由記述の分析を進めることで、学習者の態度形成との関連を検討していく。
特に、記事の解釈に過剰な自信を持っているグループについて、態度形成との関係をより深く検討する。
また、学習者へのインタビューについても、実施予定である。
これらについて2025年度には研究成果を国際会議で発表、論文投稿する予定である。
ゲームベースドラーニングなど先行研究の多いジュネーブ大学との国際共同研究を実現させることで、文化の異なるサンプルをとること、意見交換をおこなうことで、メディアに対する態度形成について、多面的な分析を進めることを予定している。

次年度使用額が生じた理由

海外物価と旅費の高騰により、海外旅費が高くなってしまった。そのため必要な物品の一部の購入を次年度にしたため残金が発生した。
今年度も旅費、物品価格の高騰が予想されるが、必要物品を精査し、計画通りの研究ができるように心がける。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] ジュネーブ大学(スイス)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      ジュネーブ大学
  • [雑誌論文] ITプレースメントテストを用いた知識の測定と分析2023

    • 著者名/発表者名
      稲垣 知宏、村上 祐子
    • 雑誌名

      学術情報処理研究

      巻: 27 ページ: 1~8

    • DOI

      10.24669/jacn.27.1_1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Media Literacy Learning with Social Media Simulators and the Formation of Learner’s Attitudes2024

    • 著者名/発表者名
      A. Hikita, T. Inagaki, M. S. Maekawa, S. Tajima, and E. Nagasawa
    • 学会等名
      IFIP TC3 OCCE2024, Bournemouth, UK
    • 国際学会
  • [学会発表] SNSシミュレータによる学習者の態度形成2023

    • 著者名/発表者名
      匹田篤、稲垣知宏、長澤江美
    • 学会等名
      大学ICT推進協議会2023年度年次大会

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公開日: 2024-12-25  

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