研究課題
この研究では、テクノロジーを中心とした学習者プロファイリングと同時に、人間の社会的な面の影響を調査することが、今後の語学教授法につながると考えられる。そのため、年度中に海外出張や対面でのデータ収集を行うことで、広範なデータを取得し、多角的な分析が可能となった。また、生成人工知能(AI)が急速に進化しているため、教員と学習者に対してテクノロジーの使用態度と実態を明らかにすることができ、自律性の促進に繋がったことだ。現時点で、学習者がAIは教員の指導に代わることができないことも明らかになった。その一方で、教員が学校から具体的なガイドラインを望んでいることもわかった。とても興味深い結果として、学生同士はAIについて話し合いをしたことなく、タブーと思われがちだが、オープンにAIの使い方について語り合うと、より正しい使い方に繋がるという意見を聞いた。以上の研究結果は複数の場で発表された。イギリス、アイスランド、ベルギー、香港でのオンライン学会で基調講演を行い、Scopus掲載のジャーナルに4本の論文が採択された。さらに、2024年11月に出版予定のケンブリッジ大学出版局の「Cambridge Handbook of Technology in Language Teaching and Learning」にも結果を掲載することができた。また、このテーマを深く扱う本もケンブリッジ大学出版局と契約を結び、今後「Technology in Second Language Education」というタイトルで出版予定である。
2: おおむね順調に進展している
まず、国際的なデータ収集が成功したので、研究の信頼性と有用性が大きく向上した。次に、生成AI技術の進化により、教員と学習者の使用態度と実態を明らかにすることができた。これが自律性の促進に繋がり、研究に重要な洞察をもたらした。また、研究結果の発表と受容が順調に進んだことで、国際的な認知と学術的な評価を受けた。これにより、研究成果の広範な普及が期待される。
現在進行中の研究テーマに基づいた長編論文を執筆することが最優先事項だ。これには、新しく収集したデータの詳細な分析を行い、その結果を論文に反映させる必要がある。今年は、研究結果を国際学会や国内学会で発表する計画があり、研究成果を広く共有し、フィードバックを得ることで、研究内容をさらに洗練させたいと考えている。さらに、昨年の研究に引き続き、研究データの追加収集と既存データの再分析、細かい調査を続けている。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Communicative Competence in a Second Language: Theory, Method, and Applications
巻: 2023 ページ: 171~186
10.4324/9781003160779-13
Educational Technology & Society
巻: 27 ページ: 60~69
10.30191/ETS.202404_27(2).SP05
RELC Journal
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