研究課題/領域番号 |
23K11365
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
石川 翔吾 静岡大学, 情報学部, 講師 (00626608)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 個人目標 / スキルの評価 / 組織的協調学習 |
研究実績の概要 |
介護実践者個人に適切な目標設定を支援し成長シナリオを描くことで,介護人材の適切な育成につなげるための仕組みを開発し,個人の実践だけでは認知症の人のQOL 向上は限定的であるため,多様な意見を取り込み,組織全体として学習することが可能な環境を構築するために,以下について取り組んだ. 1)認知症ケア事例の収集と熟達化プロセスの類型化:ベナーの看護熟達化のプロセスのモデルをベースに,どのケアスキルやインタラクションを捉えると熟達化の各ステージへ対応づけることができるのかを整理した.NoviceからBeginnerへの変化に対し,BeginnerからProficient以降へのステージに上がるためには個々人が抱える課題が異なり,適切な発達の最近接領域を捉えることの重要性が明らかとなった. 2)学習コンテンツとしてのデータフィードバック手法の開発:360°没入型の患者視点映像コンテンツを開発し,主に視点情報に着目をすることで見ている領域をカーネル密度推定の手法で可視化し,ケアのProfessionalレベルとBeginnerレベルの違いをフィードバックする仕組みを開発した.また,ケアスキルの特徴を数値化し,視線や発話の詳細な特徴をフィードバックできるように従来の映像評価システムをクラウド型のシステムとして拡張した. 3)組織的指導環境の構築:本環境を構築するにあたり,誰もが映像事例に対してコメントしたデータをより簡易的かつ直感的に理解することが可能になるように,LLMを活用したコメントの解釈機能を開発し,効果的なコメント共有機能を実装した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インフルエンザ等の流行により,高齢者患者のいる共同研究先での研究の推進が停滞する状況が生じたため,360°没入型映像を活用した検討を新たに検討し,スキルの評価,フィードバックする方法を検討した.当初想定していた環境と基本的なフレームワークは同じであるため,これまでの映像を活用した方法に加えて静的なコンテンツを活用するアプローチを組み合わせることで,どのような状況においてもロバストな組織的協調学習の環境構築を進めるように研究デザインを再構成している.
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今後の研究の推進方策 |
没入型空間の体験とケア映像の評価を統合しながら,協調学習環境構築を進めていく.さらに,従来の映像フィードバックの機能も組み合わせていくことで,より包括的にケアスキル・知識を捉えるような枠組みを検討する.また,フィードバックから,個人のケアの癖や課題を認識することにつながると考えており,これらを個別にフィードバックすることの効果を検証していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
残額は僅かであり,概ね予定通り予算を使用している.来年度の評価システムの実験協力謝金へ充当し,評価実験を進める予定である.
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