研究課題/領域番号 |
23K11371
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
山添 崇 成蹊大学, 理工学部, 助教 (00747884)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | ディスレクシア / 視覚認知 / 発達支援 |
研究実績の概要 |
複合現実空間への文字オブジェクトの配置にあたって、テクスチャに関するディスレクシアの視覚認知特性の評価を行った。ディスレクシアと定型発達者のテクスチャ認知に関する対称比較を行うための印象評価実験を実施した。マイクロファセットとマクロファセットを組み合わせた評価実験の結果、マクロファセットテクスチャの認知特性が異なることがわかった。空間配置型の文字オブジェクトの制作に際して、ディスレクシアの視覚認知特性に応じたテクスチャ表現が必要であることがわかった。ディスレクシアと定型発達者の印象評価実験の結果は、国際会議Internatinal Display Workshop 2023に投稿し、採択された。得られた知見を発表すると同時に、様々な研究者との議論を行い、今後の研究に有益な意見、情報を得ることができた。またAwardを受賞したことで研究成果に対して一定の評価を得られたと考えられる。国際会議で得られた議論、意見、情報を精査し、ヘッドマウントディスプレイを用いた複合現実環境における立体文字コンテンツの制作と呈示アプリケーションの実装に対するフィードバックを行っている。これらのフィードバックを反映した立体文字コンテンツの制作と呈示アプリケーションの実装を進めている。空間配置型の文字オブジェクトは、マイクロファセットとマクロファセットの組み合わせだけでなく、フォントデザインや色相・明度・彩度を組み合わせた複数の候補を制作している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ディスレクシアの立体視に関する評価にやや遅れが生じている。予定していたヘッドマウントディスプレイ(HMD)の販売停止により購入ができず、現在所有しているHMDにて代用してアプリケーションおよびコンテンツ制作を行った。評価実験の基準を満たす代替機種が発売予定であるものの具体的には未定のため、アプリケーションおよびコンテンツ移植作業を要すること、立体視・奥行き近くに関する本実験となる評価実験そのものの実施が予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在所有しているHMDにて代用してアプリケーションおよびコンテンツ制作を続けて、完成させる予定である。完成の後に予備実験を実施し、問題点・課題点を早期に発見し修正を実施する。加えて実験の使用を想定しているHMDを入手すると同時にアプリケーションおよびコンテンツの移植作業を行う。同時に問題点・課題点のフィードバックを行い、実験環境の構築を実施する方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画案で予定していた複合現実環境構築用のヘッドマウントディスプレイが販売中止となったため、別機種の再選定を行った結果、次年度に発売予定の機種を購入する変更を判断した。現在は所有する既存のヘッドマウントディスプレイを活用し、コンテンツ制作を行っている。次年度に複合現実環境構築用のヘッドマウントディスプレイを購入する予定である。
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