研究課題/領域番号 |
23K11399
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
中村 仁美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (60572659)
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研究分担者 |
横尾 亮彦 京都大学, 理学研究科, 准教授 (70420403)
岩森 光 東京大学, 地震研究所, 教授 (80221795)
森川 徳敏 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (90392670)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 阿蘇 / 火山 / 熱水 / 温泉水 / 流体循環 / 火口湖 |
研究実績の概要 |
本研究では,阿蘇カルデラ火山の中央火口丘の熱水系を,山頂部から山麓まで丸ごとモニタリングする.中央火口丘から山麓の泉源に来ていることが明らかになった流体(特徴的な泉源),火口湖,火口近傍変質帯の三カ所で,定期採水・化学分析を行う.これにより,火口から山体内部を伝って特徴的な泉源に達するまでの流体の変化と,その生成メカニズムを明らかにすることを目的としている. 初年度は,ドローンを用いた火口湖での採水法を確立すると同時に,火口近傍変質帯の調査を行い,採水可能な場所を探ることを目指した.阿蘇火山は現在活動中の為,活動度に応じた入山規制の下で,安全性に配慮しつつ,火口湖での調査・採水を3回実施した.しかし,噴煙・火山ガスや急変しやすい天候などの影響により,当初想定した仕組みでは安定的に火口湖で採水することが難しいと判断した.そこで,噴煙や天候の影響を受けにくい仕組みで採水することができるよう,大型ドローンを小型ドローンに変更すると共に,ドローンに繋げる採水システムにも新たな工夫を行い,目下これらの試験中である.火口近傍については,変質帯や湧水の調査を行い,複数箇所で採取した試料の化学分析の結果と合わせて検討し,採水地点を決定した.今後は,これらの地点において,定期的に採水を行い,化学分析を行うことで,化学的関連性や組成変化を辿っていく.これにより,山頂部から山麓までの流体の変化と,その生成メカニズムを明らかにすることを目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,火口近傍及び周辺の変質帯の調査を行い,その結果,山腹で火山体内部の情報を持つ流体を採取することが可能な地点を見出した.また,火口湖で大型ドローンを用いた採水を行い,活動中の火口湖では,気流の不安定さによる火山性ガスや小規模な噴煙等により,飛行に大きな影響が生じることが分かった.そこで,より安定的に採水を行うため,小型ドローンを導入し,採水の仕組みを確立すべく進めている.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,火口湖での安定的な採水方法を早急に確立し,火口湖及び確定した地点において定期的に採水を行い,化学分析を行うことで,火山体内部の組成変化を追っていく.これにより,山頂部から山麓までの流体の変化を把握し,火口における物理探査データや火山活動推移と比較することで,流体の流れと生成メカニズムを明らかにすることを目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
阿蘇火山は現在活動中の為,噴煙・火山ガスによる視界不良や,風などの急変しやすい天候による影響を受けやすく,試料数が予定より少なくなった.このため,試料の分析に係る消耗品の使用量が予定以下になり,次年度使用額が生じた.次年度は,天候の影響を受けにくい安定的な仕組みを模索しながら,試料数を増やす方向で計画している.
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