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2023 年度 実施状況報告書

新規低分子DNA損傷を定量・検出するための水中ポストモディフィケーション反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K11427
研究機関徳島文理大学

研究代表者

喜納 克仁  徳島文理大学, 理工学部, 准教授 (70360534)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードグアニン酸化損傷
研究実績の概要

8オキソグアニン(8oxoG)は、酸化ストレスのマーカーとして認識されているDNA損傷である。一方、新規の損傷Xは8oxoGとは異なった経路で生成する。ここではXのその特徴的構造に焦点をあて、Xに対しての新規水中ポストモディフィケーション反応を開発することで、in vitroおよびin vivoにおける総合的な酸化ストレスの度合いをより正確に測定することをめざすことを目的とする。
1年目は、新規の損傷Xに対する特異的な反応を水中で起こす反応系を探索する前段階として、Xの生成量増加の可能性を検討した。具体的にはフラビン二量化体(Kawada T, Kino K*, Matsuzawa Y, Morikawa M, Okamoto Y, Kobayashi T, Tanaka Y. N’1,N’4-bis(2-(7,8-dimethyl-2,4-dioxo-3,4-dihydrobenzo[g]pteridin-10(2H) -yl)ethylidene)succinohydrazide. Molbank 2022(2022) M1436-M1436)を、グアニン酸化損傷の収量増加目的に転用を見込んだが、残念ながら以前合成したフラビン二量体は極めて水溶性が低く、実際の反応系での使用において極めて低濃度となってしまい、Xの収量増加の目的にはとても使えないことが判明した(data not shown)。
加えて、照射装置をUVAトランスイルミネーターから青色LEDに変更することで、少しではあるが、Xの収量増加に成功した(Kawada T, Maehara M, Kino K*, Increased Yields of the Guanine Oxidative Damage Product Imidazolone Following Exposure to LED Light. Reactions 2023, 4, 801-810)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

反応系の探索前の研究で1年目は終了したため、遅れている。また、学生の体調不良により思いの外研究が進まなかった側面もある。

今後の研究の推進方策

今後は、新規の損傷Xに対する特異的な反応を水中で起こす反応系を探索する。具体的には、酸化剤及び光増感剤共存下における光反応により、求核剤と新規の損傷Xを含むDNAオリゴマーを反応させる。反応解析はHPLCで行う。酸化剤として、オキソンや過マンガン酸カリウム、I3-イオンなど水溶性のものを選ぶ。光増感剤として、NAD+やリボフラビン、ローズベンガルなど水溶性のものを選ぶ。なお、NAD+やリボフラビンのように酸化剤としての機能を併せ持つ可能性も検討する。求核剤として、アミン化合物やヒドラジド化合物(ジラール試薬TやPも含む)、ヒドロキシルアミン化合物、チオール化合物の中で水溶性のものを選ぶ。

次年度使用額が生じた理由

大学で支給される研究費から使用していったこと、研究全体が学生の体調不良で遂行が遅れたことにより、次年度使用額が生じた。もともとの1年目の計画と2年目の計画をあわせて実施したい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Calculations of the Radiation Dose for the Maximum Hormesis Effect2024

    • 著者名/発表者名
      Kino Katsuhito
    • 雑誌名

      Radiation

      巻: 4 ページ: 69~84

    • DOI

      10.3390/radiation4010006

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Increased Yields of the Guanine Oxidative Damage Product Imidazolone Following Exposure to LED Light.2023

    • 著者名/発表者名
      Kawada T, Maehara M, Kino K*
    • 雑誌名

      Reactions

      巻: 4 ページ: 801-810

    • DOI

      10.3390/reactions4040046

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] DNA損傷と突然変異・低線量被ばくの新理論2023

    • 著者名/発表者名
      川田 大周, 平尾 雅代, 森川 雅行, 喜納 克仁*,
    • 雑誌名

      BIO Clinica

      巻: 38 ページ: 41-43

    • 査読あり
  • [学会発表] LED光源を用いたイミダゾロンの生成効率の上昇2023

    • 著者名/発表者名
      川田 大周、川井 清彦、喜納 克仁
    • 学会等名
      第45回日本光医学・光生物学会(島根)
  • [学会発表] 塩基除去修復酵素Endonuclease VIIIを用いた新規グアニン酸化損傷の解析2023

    • 著者名/発表者名
      川田 大周、西山 陽菜、喜納 克仁
    • 学会等名
      第52回日本環境変異原ゲノム学会(福岡)
  • [学会発表] 化学反応速度論による新規放射線ホルミシス理論2023

    • 著者名/発表者名
      喜納 克仁
    • 学会等名
      第52回日本環境変異原ゲノム学会(福岡)
  • [備考] researchmap 喜納 克仁

    • URL

      https://researchmap.jp/read0054010

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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