| 研究課題/領域番号 |
23K11443
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| 研究機関 | 九州産業大学 |
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研究代表者 |
木山 亮一 九州産業大学, 生命科学部, 教授 (00240739)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| キーワード | シグナル伝達 / 内分泌かく乱物質 / バイオテクノロジー / 遺伝子発現 / 天然物化合物 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、化学物質の影響評価に必要なエストロゲンシグナルカスケードの全体像を解明し、さらに、エストロゲンシグナルカスケードに関与するシグナルタンパク質をデータベース解析の中から見出すことで細胞機能との関係を明らかにし、その情報を様々な化学物質の影響評価に利用することを目的とする。本研究では、これまでに得たエストロゲンシグナルカスケードに関与する情報をもとに、RNA-seq法を利用してエストロゲン応答に関与する新たな遺伝子に関する情報を得て、新たなカスケードやこれまで関与が知られていなかったカスケードを仮想し、それらについて天然及び合成化合物を用いて検証することで、化学物質のリスク評価だけでなく創薬や食品利用などの応用に関する新たなカスケードに関する知見を得る。本年度は、（１）遺伝子発現プロファイル解析によるエストロゲンシグナルカスケードの検証（令和5～6年度）及び（２）データベースを利用したエストロゲンシグナルカスケードの検証（令和5～6年度）を行い、エストロゲンシグナルカスケードの検証と新たなカスケードに関する情報を得て、学会及び論文として発表した。また、一部は、（３）新規エストロゲン応答タンパク質の探索（令和5～7年度）及び（４）天然及び合成化合物を用いたエストロゲンシグナルカスケードの検証（令和5～7年度）についても研究を開始し、これまでに得られたエストロゲン活性化合物に関するデータベースの作成を始めた。したがって、研究は予定通りに進んでいる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エストロゲンは多くの重要な生理機能に関与するホルモンとして研究が進んでいるが、生体内外に存在するエストロゲンの活性を有する化学物質に関しても興味が高まってきており、医療創薬分野における研究だけでなく、環境や食品などの分野における研究も進んでいる。本研究では、エストロゲン活性化学物質の影響評価に必要なエストロゲンシグナルカスケードの全体像を解明し、遺伝子機能に関するデータベース（KEGGやGOなど）を用いた解析によりそのカスケードに関与するシグナルタンパク質と細胞機能との関係を明らかにし、さらに様々な化学物質の影響評価に利用するために必要な化学物質データベースの作成を目標に研究を行っている。本年度は、（１）遺伝子発現プロファイル解析によるエストロゲンシグナルカスケードの検証（令和5～6年度）及び（２）データベースを利用したエストロゲンシグナルカスケードの検証（令和5～6年度）を行い、エストロゲンシグナルカスケードの検証と新たなカスケードに関する情報を得た。具体的には、これまでに明らかにしてきたエストロゲンシグナルカスケードに関与する情報をもとに、RNA-seq法を行い、エストロゲン応答に関与する新たな遺伝心に関する情報を得て、新たなカスケードやこれまで関与が知られていなかったカスケードについて明らかにし、論文や学会発表により発表を行った。さらに、（３）新規エストロゲン応答タンパク質の探索（令和5～7年度）及び（４）天然及び合成化合物を用いたエストロゲンシグナルカスケードの検証（令和5～7年度）についても一部研究を開始し、新たに得られたカスケードについて天然及び合成化合物を用いて検証を進めている。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究では、我々がこれまでに得たゲノミック経路やノンゲノミック経路などのシグナルカスケードに関する知見をもとに、RNA-seq法を利用して遺伝子発現解析を行うことでエストロゲン活性に関わる新しい遺伝子（タンパク質）を明らかにし、それらの遺伝子の作る新たなシグナルカスケードを見出し、さらに、様々な天然化合物や合成化合物を用いて評価を行い、細胞増殖や細胞運動などの細胞機能に関わる知見をもとにエストロゲンシグナルカスケードの詳細を明らかにする計画を進めている。本年度は、（１）遺伝子発現プロファイル解析によるエストロゲンシグナルカスケードの検証（令和5～6年度）及び（２）データベースを利用したエストロゲンシグナルカスケードの検証（令和5～6年度）を行い、エストロゲンシグナルカスケードの検証と新たなカスケードに関する情報を得たので、今後は、（３）新規エストロゲン応答タンパク質の探索（令和5～7年度）及び（４）天然及び合成化合物を用いたエストロゲンシグナルカスケードの検証（令和5～7年度）について研究を広げてゆく予定である。具体的には、（３）項ではデータベース解析によって明らかになった機能性タンパク質を中心にシグナルカスケードを解析し、これまでに我々が解析を行った細胞分裂や細胞運動に関係する低分子量Gタンパク質の解析法を参考にエストロゲンシグナルクロストーク機構を明らかにしたい。また、（４）項では、（１）～(３)で得られたエストロゲンシグナルカスケードに関する情報をさらに複雑な刺激（特に複数の刺激が同時に起る場合）の解析に対して応用が可能か天然・合成化合物を用いて検討する。さらに、天然及び合成化合物誘導体について（1）及び（２）項で得られた化学物質によるエストロゲンシグナルカスケードと細胞機能との関係を検証する。
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