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2023 年度 実施状況報告書

数理モデルを用いた微生物燃料電池の内部抵抗最小化による最大電力の算定とその実証

研究課題

研究課題/領域番号 23K11483
研究機関大阪産業大学

研究代表者

藤長 愛一郎  大阪産業大学, 工学部, 教授 (40455150)

研究分担者 岸本 直之  龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (00293895)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード微生物燃料電池 / 数理モデル / 最大電力 / 内部抵抗
研究実績の概要

微生物燃料電池 (MFC) には他の電池には見られない内部抵抗があるため,潜在的な電気量を十分に得ることが難しい。そこで,本研究では,独自の数理モデルを構築して内部抵抗を最小化する条件を見つけ,最大電力を推定し,それを実証することを目的としている。そこで、まず、MFCの内部抵抗を把握することを目標として、一年目(2023年度)に内部抵抗の原因特定を把握するための実験を実施した。以下に実施した実験を記述する。
(1) 内部抵抗の連続測定
2022年度に,無負荷(開回路)電圧と負荷(閉回路)電圧の比から計算して内部抵抗を求める方法(以下、一点法と呼ぶ。)の有効性を確認した。そこで2023年度にこの一点法を用いて、各実験条件における内部抵抗を連続測定して時間変化を求め、その条件の有効性を調べた。その結果、土壌MFCおよびたい肥MFCの内部抵抗は、並列接続の場合は10Ω程度と単独(10~40Ω)より小さく,直列接続した場合は45Ω程度と大きくなった。
(2) 交流インピーダンス法による内部抵抗の測定
内部抵抗の測定方法の一つとして、その有効性を確認した交流インピーダンス法を用いて、MFCを継続的に測定した。その結果、内部抵抗の原因となる水溶液の抵抗,および電極上の化学反応(活性化)による損失が測定でき,さらに濃度損失も測定できる可能性が示された。そこで,この方法で内部抵抗の内訳を明確にして,最も大きい内部抵抗の低減対策を重点的に行う。実験の結果、土壌MFCは56日目で開回路電圧が0.8Vの時,内部抵抗は83Ωだった。この時の内部抵抗の内訳は、電荷移動抵抗(電極上での化学反応)が55Ωで、水溶液抵抗が29Ωとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一年目(2023年度)に3年間の研究計画の予定通り、内部抵抗の原因を特定するための実験を実施した。また、 交流インピーダンス法による内部抵抗の測定をMFCを56日間にわたって計測することが出来た。これらのことにより、内部抵抗が大きくなる場合の原因について、ある程度把握できた。

今後の研究の推進方策

今後、 数理モデルによる内部抵抗の最小化をするために、数値モデルの調整,パラメーター(拡散層厚や有機物濃度など)の設定と試算を行う。そして,内部抵抗が最小になる条件を検討し,電力が最大になる対策方法を考える。そして、対策を実証する実験を行い,効果を確認する。現状では、負極への有機物の供給促進と正極への活性炭などの吸着材を用いた実験が有効であると考えている。

次年度使用額が生じた理由

米国から輸入した電極材料の実際の費用と予算の差額から物品費が若干残った。これについては、今年度の消耗品費で使用することを考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Maximizing the Electric Power Using a Mathematical Model of Single-chamber Air-cathode Microbial Fuel Cells in Series and Parallel Connected2023

    • 著者名/発表者名
      Aiichiro Fujinaga
    • 学会等名
      Water and Environment Technology Conference 2023 (WET2023)
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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