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2023 年度 実施状況報告書

北海道のヨコバイ科昆虫DNAデータバンク構築~希少種保護と害虫リスクの軽減~

研究課題

研究課題/領域番号 23K11502
研究機関北海道教育大学

研究代表者

奥寺 繁  北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20625941)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
キーワードDNAバーコーディング / 頸吻亜目
研究実績の概要

北海道内の野外調査として,旭川市を中心に苫小牧,豊富,上士幌,小樽など北海道の各所で調査を行った.とくに十勝岳周辺(美瑛町,上富良野町)では高山帯での定期的な調査を,豊富町ではサロベツ湿原の調査を行い,特筆すべき環境に生息する種の知見を得ることができた.
研究機関の所蔵標本調査として,北海道大学農学部,東京農業大学農学部,東京大学総合研究博物館および愛媛大学ミュージアムを訪問した.この標本調査により,北海道産種の種同定の参考となる情報を得るとともに,また新たな北海道の標本産地データを収集することができた.とくに北海道大学には北海道産種の多くの模式標本が管理されている松村松年博士のコレクションが所蔵されており,そのなかには現在は正体不明種とされている種がいくつか含まれている.そのため,これら不明種を明らかにするうえでも継続した標本調査が必要である.
また,9月に佐賀大学で開催された日本昆虫学会全国大会に参加した.このなかではDNA解析に関するいくつかのシンポジウムや小集会が設けられていたため,今後の研究に役立つ情報を収集することができた.
研究成果として,北海道新記録種の14種を報告した.これにより本州との昆虫相比較の新たな材料となること,また北海道への侵入種への示唆を与えることとなった.さらに今年度の野外調査から得られた標本などをもとに,北海道から確認された日本新記録の3種について公表の準備中(投稿中)である.これは極東ロシア地域をはじめとした大陸との関りを検討するうえでとても重要な情報となる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

北海道内での野外調査および標本収集は順調に行われている.また研究機関への標本調査により,北海道に記録のある種の情報整理も進められているため,今年度以降の調査方法の基盤を作ることができた.しかし,DNAバーコーディングに必要な機材の調達は,機材費の価格上昇により予算編成を再検討する必要があったため遅れている.購入機器の再選定は済んでいるため,来年度に速やかに進めていきたい.

今後の研究の推進方策

野外調査による標本収集と研究機関への所蔵標本調査は今年度と同様に継続していく.遅れがみられるDNAバーコーディング作業については,次年度中に必要な機材を調達し,また実験テクニックの習得を他機関で研修を受けて習得する予定である.

次年度使用額が生じた理由

DNAバーコーディングの実験機器が値上がりしたため,当初に想定していた機器の選定を再検討して今年度の購入に間に合わなかったため.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 北海道新記録のヨコバイ2023

    • 著者名/発表者名
      奥寺繁・山本亜生・大原直通・林正美
    • 雑誌名

      Rostria

      巻: 68 ページ: 51-55

  • [学会発表] 日本産Aphilaenus属(半翅目:アワフキムシ科)の分類学的再検討2023

    • 著者名/発表者名
      奥寺 繁・林 正美
    • 学会等名
      日本昆虫学会第83回大会
  • [学会発表] 旭川市都市部の河川敷植生は「生態的回廊」として働いているのか2023

    • 著者名/発表者名
      小島 龍平・奥寺 繁
    • 学会等名
      日本昆虫学会第83回大会

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公開日: 2024-12-25  

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