研究実績の概要 |
2021年~2022年に沖縄島沿岸48地点でベースライン調査として採取した水試料から、8,110 増幅配列多型:2,060 OTU (54門;179綱;512目;991科;1,510属):1,801,947 リード(地点平均38,339)の真核生物を検出した。また、糸満市大度沿岸にて、昼間干潮時にサンゴ礁の間隙約30cm下部から汲み上げた水試料および間隙の直上で採取した水試料から、506増幅配列多型:293 OTU(33門;78綱;154目;220科;255属):76,203リード(サンプル平均38,102)の真核生物を検出した。詳細な解析は今後行うが、サンゴ礁の間隙下部から採取した水試料は、間隙直上およびベースラインとしての沿岸部から採取した水試料と比較して、サンプル毎の真核生物多様性が著しく低いわけではないことが示唆された。 また、恩納村真栄田西岸にて、夜間干潮時に分裂痕を持たないクロナマコの稚個体(約5cm)を観察した。沖縄本島において、礁原がよく発達する7地点(糸満市大度、那覇市西洲、浦添市港川、読谷村残波、恩納村万座、本部町瀬底、本部町備瀬崎)を優先的に調査する計画であるが、クロナマコの稚個体が生息する可能性が高い恩納村真栄田西岸についても、今後の調査地点に加えることとする。 最後に、技術的な進展として、チュービングポンプと蓄電池を利用した野外調査においても使用可能な携帯型採水ポンプを開発したことから、今後の野外調査が捗ることが期待される。
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