研究課題/領域番号 |
23K11591
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
千 キョン娥 立命館大学, 立命館アジア・日本研究機構, 研究員 (70968156)
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研究分担者 |
北川 秀樹 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60360252)
周 い生 立命館大学, 政策科学部, 教授 (80319483)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 生ごみ資源化 / 日中韓 / 循環型社会 / 持続可能性 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトの初年度として、持続可能な視点から地域的な特徴を考慮し、生ごみを利用した循環型システムの構築に向け、先進的な取組を展開する日本と韓国の地域を対象に6市(ソウル特別市、札幌市、恵庭市、豊橋市,逗子市、亀岡市)と8ごみ関連施設への現地調査をおこなった。そのうえで、2環境NGO団体、2大学、1研究所を訪問し、インタビューと意見交換をおこなった。また、日本の生ごみ資源化の取組に詳しいゲストを招聘し、オンライン講演会を開催した。並行して主要国の生ごみ処理・資源化に関する政策の最新状況と公表されている文献レビューを行い、現地での最新動向と現在まで明らかにされている知見と共通した生ごみ処理システムの課題について一定の把握ができた。 日本では、1704市区町村のうち全体の17.1%において全域または一部地域の分別回収を行っているにすぎず(環境省調査、2022年)、ほとんどの自治体で生ごみを焼却処理しているなかで、今回の日本の現地調査で、民間企業との連携(PFI事業や公設公営方式)によるバイオガス化(生ごみにし尿,浄化槽汚泥,下水汚泥を混合してメタン発酵し、発電や熱利用)を採用し、生ごみ処理・資源化の管理・運営が順調に進んでいる自治体もあることを確認できた。一方、韓国は、全国で排出されたほとんどの生ごみを資源化しているため、堆肥の生産能力の過剰化と飼料化の品質が問題視されているなか、ソウル市のインタビュー調査により今後、ソウル市の生ごみ資源化はバイオガス化を中心に進める予定であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画どおり、2023年度には、日中韓のうち、日韓のフィールドワークを実施し、先進的な生ごみ資源化を取り組んでいる地方自治体を中心に訪問し、インタビューと意見交換を行った。また、生ごみ資源化施設、環境NGO団体へのインタビュー調査、廃棄物に関する有識者を招いて研究会と講演会(オンライン・オフライン)を開催し、最新動向を把握することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の研究方針として、日中韓における生ごみ資源化の先進事例の比較・考察を行い、地域に適合する生ごみ処理システムを提示することを目的とする。 2024年8月に訪韓、11月に訪中し、自治体と生ごみ資源化施設などを視察し、関係者にインタビューを行う予定である。その間にも日本の学会、研究会等での研究報告を行うほか、講演会を開催するなどにより、研究の推進に努める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、2023年度の韓国現地調査は2回予定していたが、1回しか行われていないため次年度の韓国現地調査として予算を執行する予定である。
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