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2023 年度 実施状況報告書

住空間の維持・改造・補修とその担い手の変遷-DIYの歴史と現状をめぐる実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K11689
研究機関目白大学

研究代表者

溝尻 真也  目白大学, メディア学部, 准教授 (50584215)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワードDIY / 手づくり / 趣味 / 住まい / ジェンダー
研究実績の概要

Harris, Richard,2012,Building a Market:The Rise of the Home Improvement Industry, 1914-1960や、Todd L. Goodsell, 2008,"Diluting the Cesspool:Families, Home Improvement, and Social Change",Journal of Family Issues,29(4)、Durst, Noah J. and Cangelosi, 2021, Elena J.,"Self-help housing and DIY home improvements: evidence from the American Housing Survey",Housing Studies,36(8)など、英語圏のDIYに関する著作や論文を収集し、その歴史的変遷と現状について整理した。
また海外の先行研究を踏まえつつ、日本のDIYの歴史に関する調査を開始した。
まずは戦前に提唱された住まい手自身による住居補修や日用品の手づくり(家庭工作)を日本のDIYの嚆矢として位置づけ、その変遷を調査した。特に家庭工作の提唱者で家具デザイナー・木工教育者の木檜恕一に焦点を当て、彼が設立した木材工芸学会の学会誌を紐解きながら、大正~昭和初期の家庭工作がどのような思想のもとで提唱されたかを明らかにした。
さらに戦後日本におけるDIYの展開として、学校教育、主に家庭科教育における家庭工作の変遷と、女性向け雑誌の中で提唱された家庭工作や日曜大工の有様について調査を行なった。具体的には戦後の日本で新しい女性のライフスタイルを提案し人気を獲得した雑誌『それいゆ』『ジュニアそれいゆ』を主軸に、これらの雑誌内で家庭工作やDIYがどのような営みとして語られ、提唱されていたかを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画として、初年度は海外の先行研究の整理を中心に行ない、初年度後半から2年目にかけては日本のDIYの歴史的変遷の調査に着手する予定を立てていた。いまのところほぼ予定通り海外の先行研究の収集・整理を行ない、また日本の歴史的資料も1920年代から1950年代にかけての資料が集まりつつあることから「おおむね順調に進展している」とした。

今後の研究の推進方策

1.日本におけるDIYの歴史調査
2年目は引き続き歴史的資料の収集・分析を中心的に行なう。特に1970年代前後に起きた日曜大工ブーム期の資料を集め、その背景について調査分析していく。
2.量的調査に向けた準備
3年目に予定している、DIY行為者の動機や意識を明らかにするための量的調査に向けて、その準備を行なう。近年の量的調査の傾向などを把握するとともに、2021年に実施した予備調査の結果を再度分析し、質問文などを精査する。

次年度使用額が生じた理由

戦前の資料収集には困難が予想されたため、各地に分散して所蔵されている多くの文献に目を通した上で、その中から研究上重要となる記述が含まれる資料を探索・選定し、詳細な分析を行なうことを想定していた。しかし実際にはこの資料収集が想定よりも順調に進み、重要資料を効率的に入手することができたため、若干の残額が発生した。
今後は量的調査とそれに向けた準備等で多額の費用が必要となるため、残額はこれらの調査をより充実させるために支出する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 建築討論:DIYの現在形

    • URL

      https://medium.com/kenchikutouron/diy%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E5%9C%B0-977670e3620c

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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