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2024 年度 実施状況報告書

非線形力学系の活用によるペンジュラム・パターンの「造形的秩序」の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K11738
研究機関秋田大学

研究代表者

石井 宏一  秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (80325894)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードペンジュラム・パターン / 造形的秩序 / 美の原理 / 非線形力学系 / コンピュータ・シミュレーション
研究実績の概要

本研究は、振り子の減衰運動の軌跡によって生成される形である「ペンジュラム・パターン」に内在する「美の原理」としての「造形的秩序」について、「非線形力学系」に基づく「コンピュータ・シミュレーション」手法の活用によって明らかにすることを目的としている。本目的の達成にあたり「研究課題1:ペンジュラム・パターンの生成方法の開発」「研究課題2:ペンジュラム・パターンの造形的性質の解析」「研究課題3:ペンジュラム・パターンの『美の原理』としての造形的秩序の解明」という3つの研究課題を設定し、3ヵ年の研究期間の2年目にあたる令和6年度は、研究課題2の大半および研究課題3の前半部分を実施した。
研究課題2では、前年度に着手した「形体生成初期に生じる生成形体の『乱れ』」の原因究明と「ペンジュラム・パターンの生成プロセスとその造形的特性」の明確化、という2点から研究を遂行し、①生成初期の「乱れ」の原因は振り子運動における「遠心力」と「重力」の関係から説明可能なこと、②特に「遠心力」の「水平方向」成分の「偏り」が「乱れ」の発生に大きく関与すること、③振り子運動の減衰過程において、運動の主力の「遠心力」から「重力」への移行期に「偏り」を是正し生成形体の様態が安定すること、④前述1から3のの知見に基づきペンジュラム・パターンの造形的特性の明確化が可能と考えられること、などの知見を得るに至った。
研究課題3では、研究課題1及び研究課題2の結果により得られた造形特性に基づく各種の造形実験の実施を通じて、①ペンジュラム・パターンの生成規則を活用した造形表現が可能であること、②数理モデル自体に「美の原理」としての役割が内在する可能性が存在すること、等を確認した。
以上の結果から、次年度の研究課題の遂行および研究計画最終年度における研究成果の取りまとめに支障がないことを確認した。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

令和6年度までに研究計画で策定した3つの研究課題のうち、「研究課題1:ペンジュラム・パターンの生成方法の開発」及び「研究課題2:ペンジュラム・パターンの造形的性質の解析」については大半を実施、「研究課題3:ペンジュラム・パターンの『美の原理』としての造形的秩序の解明」については前半部分を実施し、おおよそ、当初の研究計画通り、実施していると考えている。
一方で、当初の研究計画で予定していた国内外学会誌への投稿論文の作成に各種要因のため手間取り、やや遅れが生じてしまっている。ついては、より研究の精緻化を図った上で、次年度に向けて投稿準備を進めていく旨、判断するに至った。
以上のことから、総合的な観点に基づき、本研究の進捗状況を「やや遅れている」と判断している。

今後の研究の推進方策

令和7年度は「研究課題3:ペンジュラム・パターンの『美の原理』としての造形的秩序の解明」の後半部分を実施するとともに、本研究計画全体の最終年度にあたるため、これまでに得られた研究知見の総括を行う予定である。
前者においては、これまでの研究知見に基づくペンジュラム・パターンの『美の原理』としての造形的秩序の「体系化」を通じて、その造形特性の解明を試みる。特に、本研究において実施しているコンピュータ・シミュレーションによる形体解析手法が、従前の「画法幾何学」や「解析幾何学」では未検出の新たな造形的秩序を発見できる可能性が存在するのか、明らかにしていく。
後者では、本研究の知見がデザイン学、構成学研究の上でどのような立ち位置を占め、また意味を有しているのか、考察を試みる。特に、これまでの経緯から「研究自体が終わってしまった」とされてきたペンジュラム・パターンという対象に対して、コンピュータ・シミュレーションや非線形力学系といった「新たな視点」を付与することで、研究課題の再生や新たなデザイン学の上での論点の形成が可能なのか、明らかにしていきたい。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由として、①当初、予定していた国内外学会等への投稿論文の作成が各種要因から遅延したため、投稿料、英文翻訳料などの支出が少なかったこと、②当初予定していた研究発表等に伴う国内外への出張が一部、実施できなかったため、旅費等への支出が少なかったこと、③研究の進捗に伴い当初、購入予定がなかった高解像度モニターなどの物品が必要になる可能性があったため、一部の支出を抑えた上で研究遂行状況を確認していたこと、がある。
次年度の使用計画として、物品費として400,000円、国内外学会出席等に伴う旅費として518,012円、研究補助学生アルバイト等に伴う人件費・謝金として84,360円(@1,110円×38時間×2人)、関係学会誌等への投稿料及び英文翻訳料として300,000円、計1,302,372円を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ペンジュラム・パターンの生成規則の数理モデル化に基づく造形展開(3)2025

    • 著者名/発表者名
      石井宏一
    • 雑誌名

      秋田大学教育文化学部研究紀要(教育科学)

      巻: 第80集 ページ: 1~13

    • オープンアクセス
  • [学会発表] ペンジュラム・パターンの生成プロセスの「加速度」に基づく解析(10)-ペンジュラム・パターンの生成規則の数理モデル化による形体情報の観察・把握の方法(16)2024

    • 著者名/発表者名
      石井宏一
    • 学会等名
      日本デザイン学会

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公開日: 2025-12-26  

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