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2023 年度 実施状況報告書

高視認性オレンジ色の機能性補完によって林業死傷者を低減させる色彩デザイン

研究課題

研究課題/領域番号 23K11756
研究機関信州豊南短期大学

研究代表者

松村 哲也  信州豊南短期大学, その他部局等, 研究員(移行) (20617419)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード高視認性 / 森林環境色彩 / 防護服 / 労働安全 / Hi-Vis. / 森林 / 林業
研究実績の概要

本研究では、死傷事故が多い林業の現状を鑑み、高視認性色彩による注意喚起・意思伝達機能を活用した林業の安全性向上策を補完・強化する方策として、高視認性色彩の機能性を補強する効果的配色を算出し、作業服や装備などに反映する機能性色彩デザインシステムの構築を目指している。令和5年度は、新型コロナ感染症も第5類扱いとなり、森林調査・事業体訪問といった行動が社会的に若干の抵抗感は残るものの徐々に許容が進んできた。そうした状況下で、 (A)林業者を取り巻く色彩環境の測定について、長野林大技術研修会(6,10,11月)、長野県上高地(8月)、国際学会FORMEC(9月イタリア)ブラーノ島(9月イタリア)、八甲田山麓(3月)、FJ出版社(2月)、JIS T8125制定委員会(4-8月)などにて色彩環境調査および聴取調査を実施した。(B)点群情報を取得する3Dスキャナ装置として、安価かつ処理環境の整備されたiPadProを試行している。レーザー強度の限界はあるが、対象物の位置関係を短時間で記録できる効果を得た。 (C)既存の被服・装備品の色彩情報の測定については、SPORTEC(7月東京)、OD総合展(7月)、機械メーカーY社工場(7月青梅)、Austrofoma(9月オーストリア)、林業機械展(11月水戸)、モクコレ(1月)、ウェアラブルEXPO(1月)、ギフトショー(2月)、作業服メーカーO社(2月東京)にて色彩情報採取および聴取調査を実施した。研究成果の発表について、中部森林学会大会(10月富山)、日本森林学会大会(3月東京)にて学術発表の機会を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染症も第5類扱いとなり、いまだ若干の抵抗が残りながらも森林調査・事業体訪問といった行動が徐々に社会的に許容されてきたことから、全国各地への調査行を計画していたが、研究統括者である松村の右眼球網膜前膜症の悪化と令和4年7月における手術治療の結果、左右の視覚ギャップが顕著となり、令和5年度に渡り視覚リハビリを要し、行動に制限が残ったため、初年度上半期に計画していた東京大学北海道演習林、沖縄県名護市県有林、琉球大学与那フィールドなど遠方観測地点での調査を延期するなど色彩環境調査調査功程が遅延している。

今後の研究の推進方策

研究統括者である松村の右眼球網膜前膜症の悪化と令和4年7月における手術治療の結果、左右の視覚ギャップが顕著となり、当初令和5年度の実施を計画していた色彩環境調査を中心に、研究計画の実行が遅延している。令和5年度を通じた視覚リハビリを経て、令和6年5月の現在では、自動車の長距離運転など懸案であった行動の障害は改善している。そのため、令和6年度においては森林訪問調査を再開・加速し、初年度の遅延を挽回する予定である。そこで、当初計画で想定していた夜間の長距離自家用車移動を見直し、公共交通機関による移動や、自動車運転に対応できる補助者を依頼するなど、視覚への集中的な負担を代替する措置を意識した調査研究計画の再検討を進めている。次年度上半期では、徳島県愛媛県高知県地方の石鎚山系剣山系に立地する林業地、青森県秋田県地方のスギ・ヒバ・広葉樹林での森林環境色彩調査、国産林業用防護服メーカーT社への聴取調査、高視認性防護服同時着用状況調査を予定しており、すでに現地関係者との交渉も完了している。

次年度使用額が生じた理由

研究統括者である松村の右眼球網膜前膜症の悪化と令和4年7月における手術治療の結果、両眼の視覚ギャップが顕著になったことから令和5年度に渡り視覚リハビリを要し、自動車の運転など研究計画に影響する行動に障害をもたらしたため、当初の色彩環境調査計画の延期など大幅に見直す必要が生じた。そこで初年度では視覚に負担の少ない調査研究事案に絞って実施することとなった。こうした事情から研究計画に遅延が発生しているため、次年度以降での遅れの回復をめざして初年度の研究費用について厳格に節約を図ると共に当初の計画と乖離する部分について自己負担によって費用を賄うこととした。そのため、初年度で申請した金額について次年度使用額が生じたが、研究計画の遅延を取り戻すべく次年度以降にて使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 大分県日田林業地域スギ林における色彩の機能性評価2023

    • 著者名/発表者名
      松村哲也
    • 学会等名
      第13回 中部森林学会大会
  • [学会発表] ホイール型林業機械外装の色彩構成2023

    • 著者名/発表者名
      松村哲也
    • 学会等名
      第13回中部森林学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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