• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2024 年度 実施状況報告書

精緻なfMRI技術(プレシジョンfMRI)で成人期発達障害の発症機序を解明する

研究課題

研究課題/領域番号 23K11798
研究機関公益財団法人神経研究所

研究代表者

丹治 和世  公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (20512619)

研究分担者 板橋 貴史  昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 講師 (70636943)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードfcMRI / 発達障害
研究実績の概要

本研究は、少量のデータを多くの被験者から測定する従来のfMRI研究とは対照的に、個々の被験者から大量の安静時機能結合fMRI(rsfcMRI)データを測定し、結果の 信頼性と再現性を確保する手法(プレシジョンfMRI)を用い、個別性の強い発達障害症例の脳機能の特異性を個体レベルで評価することを目的としている。rsfcMRIは、安静時に生ずる自発的な脳活動の時間的な相関を指標として、脳部位間のネットワークによる機能連関を視覚化する手法である。初年度である2023 年度に行った予備研究をもとに、前年度に引き続き、発達性視覚失認症例において、先行研究で得られたような個体レベルの脳機能区分を個別症例において描出し、描出された脳機能区分が病態の理解に寄与するかを検証する予定であったが、主要な被験者(発達性視覚失認症例)が実験への参加中止を申し出たため、前年度から引き続いてデータ測定を継続することができなくなった。本研究は個別症例に重点を置いた探索研究であり、個別症例において大量のデータを取得し、神経心理学的指標という観察可能な行動指標と、それに対応する神経回路との対応を探る探索的な症例研究を行うのが目的である。これを行うにあたって、個別症例の特徴に特化した課題設定が必要である。これまでは発達性視覚失認症例に最適な課題を準備して研究を進めてきたが、同様の症例は筆者の勤務する晴和病院および昭和大学烏山病院には存在しないため、やむを得ず課題を変更するにいたった。2024年度からは、エピソード記憶の想起に特徴を持つ自閉スペクトラム症症例を研究対象として選定し、詳しく病歴を聴取するとともに、神経心理学的指標となるデータの蓄積に着手した。

現在までの達成度
現在までの達成度

4: 遅れている

理由

上記のように、中心となる被験者が中止を申し出たため、方針の変更が必要となり、新たに中心的な研究対象となる発達障害症例を選定し、課題の作成を行う必要があったため。

今後の研究の推進方策

2024年度からはエピソード記憶に定型発達とは異なる特徴を持つ症例について、先行研究で得られたような個体レベルの脳機能区分を個別症例において描出し、描出された脳機能区分が病態の理解に寄与するかを検証する予定である。具体的には、デフォルトモードネットワーク(DMN)に着目する。DiNicolaら(2024)の先行研究によれば、DMNは単一均質なネットワークではなく、DN-A、DN-Bと呼ばれる下部領域に分けられることが示されている。そしてほとんどの被験者において、エピソード記憶に関連する課題によってDN―Aがアクティベートされ、心の理論(ToM)課題によってDN―Bが活性化されることが示されている。エピソード記憶の想起やToM課題に関わる彼らの結果が「正常値」と考えられる一方、発達障害で、定型発達とは異なる様式の記憶過程を有する人の脳においては、DMNにおいて非典型的な組織化がなされている可能性がある。すでにリクルートした二名の症例において、まずはこの点を検証し、定型発達の被験者と比較を行う。

次年度使用額が生じた理由

2024年度は上記のように研究の遂行に遅れが生じているため、当初予定していた被験者に支払う謝金の支出がなかったことが主な理由である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 成人期発達障害女性の対人ストレスコーピングにカモフラ―ジュと自己不変性が与える影響2025

    • 著者名/発表者名
      宮岡佳子、丹治和世
    • 雑誌名

      跡見学園女子大学心理学部紀要

      巻: 7 ページ: 1-15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 発達障害への神経心理学的アプローチ2024

    • 著者名/発表者名
      丹治 和世
    • 雑誌名

      高次脳機能研究

      巻: 44 ページ: 125~131

    • DOI

      10.2496/hbfr.44.125

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 成人のADHDで観察されたヘテロクロニー2024

    • 著者名/発表者名
      丹治和世
    • 学会等名
      第120回日本精神神経学会総会

URL: 

公開日: 2025-12-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi