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2023 年度 実施状況報告書

間葉系幹細胞療法における免疫調節機能の向上と副作用の低減を目指した生体医工学

研究課題

研究課題/領域番号 23K11835
研究機関東京電機大学

研究代表者

村松 和明  東京電機大学, 理工学部, 教授 (90408641)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード間葉系幹細胞 / 免疫制御 / ヒアルロン酸
研究実績の概要

本研究は、免疫調節作用を目的とした間葉系幹細胞(MSC)の移植における機能の亢進及び副作用の軽減を図るため、移植用MSCを生体外で培養する際、高分子量ヒアルロン酸(HA)誘導体を活用したプレコンディショニングを行うことにより、抗炎症性サイトカイン・インターロイキン(IL)-10の発現を亢進させたMSCを調製することである。そのため、プレコンディショニング後にトリプシン処理および凍結保存・解凍処理された細胞集団(浮遊状態)におけるIL-10遺伝子の発現性が、現行品の使用時間に相当する3時間以上持続することを検証した。また、四塩化炭素で肝障害を与えたラットに対して、MSCとHA誘導体を静脈へ同時投与した場合の影響も検証したところ、HA誘導体によって肝障害が改善された。従って、プレコンディショニングで用いるHA誘導体自体は肝臓に対する潜在的な副作用を軽減できる可能性が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

最初に、齧歯類(ラット)のMSCを用いた実験系において、HA誘導体によるプレコンディショニングを通して、免疫調節機能を高めるための細胞培養プロセスの最適化の検証を着実に進めることに重点を置いた。プレコンディショニングを施したMSCは、培養容器から回収された浮遊状態においても、IL-10の遺伝子発現が一定期間保たれることを確認し、移植に適することを確認した。
また、2年目に予定していたHA誘導体をMSCと同時投与した場合の肝機能に及ぼす影響評価を一部先行的に検証した。そのため、1年目の達成目標であるHA誘導体で活性化された細胞機能(IL-10産生量)の規格化、およびその活性化メカニズムの解明が遅れてしまった。特に、プレコンディショニングされたMSCから産生されるIL-10量について、ELISA法で未処理MSCと比較定量する予定であったが、いずれも2年目の継続検討課題となった。
その他全体的な進捗状況については、概ね想定した範囲内である。

今後の研究の推進方策

1年目に完了できなかった項目(プレコンディショニングされたMSCが産生するIL-10タンパク質の定量や細胞内シグナル伝達の変化)を終了させるとともに、2年目以降に計画されたin vivo実験を進める。
in vivo評価では、マウスまたはラット実験系において同種(あるいは異種)間の脾臓細胞移植を行うことにより急性移植片対宿主病(GVHD)モデルを作製し、プレコンディショニングされた同種MSCを静脈投与することにより、各種臓器(特に肝臓・腎臓・消化管)の組織障害に対する改善効果を検証する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 遺伝子操作を介さずに免疫調節機能が亢進された間葉系幹細胞の調製2023

    • 著者名/発表者名
      濱﨑 奈津香, 小高 雄也, 穐山 太一, 村松 和明
    • 学会等名
      第75回日本生物工学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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