研究課題/領域番号 |
23K11859
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
上野 富雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70284255)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ヒト小腸粘膜下組織 / 脱細胞化 |
研究実績の概要 |
ヒト小腸に対して以下の方法で脱細胞化を行っている。また脱細胞化の程度を(1)HE染色と走査電子顕微鏡検査、(2)DNA抽出及び残存DNA量の測定を行い、評価している。 ①Badylakらの方法:採取した小腸を-80℃で凍結し,解凍して滅菌精製水で5分間洗浄する。 次に、粘膜および漿膜筋層を物理的剥離し生SISを作製する。そのSISを0.1%過酢酸(PAA)/ 4%エタノール溶液(湿重量10 gあたり100 ml)で2時間連続攪拌(250 rpm)する。最後に緩衝生理食塩水 (PBS)で15分洗浄を2回行い、 脱イオン水で15分洗浄を2 回行う。 ②Abrahamらの方法:採取した小腸を物理的剥離して粘膜および漿膜筋層を除去し生SISを作製する。そのSISをpH12の10mM水酸化ナトリウム(NaOH)/100mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)溶液で16時間インキュベートする。 次に、pH1の1M塩化ナトリウム(NaCl)/1M塩酸(HCL)で8時間インキュベーションを行う。さらにpH7.4の1M NaCl/10mM PBSで16時間インキュベーションし、次いで10mM PBSで2時間インキュベーションする。最後に、組織を滅菌精製水で2時間すすぐ。 ③Luoらの方法:採取した小腸を物理的剥離して粘膜および漿膜筋層を除去し、生SISを作製する。次にメタノール/クロロホルム (1:1、V/V) を含む溶液に 12 時間浸し、脱イオン水ですすぐ。次に0.05%トリプシン/0.05% EDTA中で37℃12時間インキュベートし、生理食塩水ですすぐ。続いて,0.9%塩化ナトリウム中の0.5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で4時間連続攪拌した後、生理食塩水で十分にすすいで洗剤を除去する。最後に 0.1% ペルオキシ酢酸/ 20% エタノールに 30 分間浸し、生理食塩水ですすぐ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画は概ね順調に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り行う。具体的には同様の実験を繰り返し、データを蓄積し、どの方法がヒト小腸における最適な脱細胞化方法なのかを探る。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入が安価に抑えられ、昨年度使用した旅費が3月であったため計上されておらず、また、本年度4月の日本消化器病学会に参加できるように旅費を先延ばしたため。
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