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2023 年度 実施状況報告書

色情報を用いた軟骨組織評価システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K11872
研究機関香川大学

研究代表者

石川 正和  香川大学, 医学部, 教授 (60372158)

研究分担者 渡邉 朋信  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00375205)
味八木 茂  広島大学, 病院(医), 特定教授 (10392490)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード軟骨組織 / 半月板 / 色情報 / 分光色差計
研究実績の概要

今年度は分光色差計を用いた軟骨組織の色情報の取得技術と組織切片との比較検討技術を確立するために、比較的容易にサンプルが入手できる、関節鏡視下半月部分切除術時に摘出したヒト半月板組織を使用した(男性10例,女性7例)。色情報として採取した組織片の表面から購入した分光色差計(日本電色工業株式会社製 SE7700)によりL*a*b*値を測定している。また組織を固定後,組織切片を作製し、サフラニンOファストグリン染色及びヘマトキシリンエオジン染色を行い、modified Pauli scoreにより組織学的評価を行った。得られた数値を用いて、色情報と組織の変性度の関連性を調査した。結果として、年齢と組織の変性の程度は正の相関を示していた。また色情報ではL*,a*, b*ともに組織の変性の程度と相関を示したが、臨床の現場で経験しているように、特に黄色味を表すb*が組織変性の程度と最も強い正の相関を示した。さらに、冷凍保存していたサンプルを用いて、グリコサミノグリカン(GAG)の含有量を計測した。GAG含有量と色情報の関係に関しては黄色味を示すb*のみで負の相関を示すことが明らかとなった。以上の結果から、分光色差計によって得られる半月板組織の色情報と組織の変性程度が相関することが明らかとなった。また、半月板組織における重要な糖タンパクの一つであるGAGの低下も色情報から予測できる可能性が示され、色情報の有用性が示されつつあると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

関節鏡視下半月板部分切除におけるサンプルの色情報の取得と組織評価およびグリコサミノグリカンの定量が実施できており、色情報と半月板の組織変性の関連が証明されつつある。

今後の研究の推進方策

今後はサンプル数を増やし、引き続き組織評価、糖タンパクの評価を進めるとともに、1型コラーゲンの免疫染色を行うことでより詳細なデータ取得、解析を進める予定である。 また、確立できた技術を応用し、人工関節で得られる軟骨組織を用いて同様の解析を行い、色情報、組織情報の比較検討を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

設備備品費として計上していた額より、機器の金額低かったこと、また、想定したより少ない症例数のサンプル処置となったため、消耗品費の支出が少ない結果、次年度使用額が生じている。次年度も引き続きサンプル処置を予定しているため、消耗品費として使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Evaluation of histological characteristics of meniscus using spectral colorimeter2024

    • 著者名/発表者名
      Shohei Kawakami, Masakazu Ishikawa, Tomonobu Watanabe, Masaki Mori, Yoichi Ishibashi, Ryuichi Isozaki, Shigeru Miyaki, Nobuo Adachi
    • 学会等名
      ORS 2024 Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] 色差計による半月板の組織学的評価2023

    • 著者名/発表者名
      川上翔平、石川正和、渡邉朋信、味八木茂、安達伸生
    • 学会等名
      第38回日本整形外科学会基礎学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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