研究課題/領域番号 |
23K11896
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大野 将樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (90433739)
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研究分担者 |
獅々堀 正幹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (50274262)
岡久 稔也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (60304515)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 腸蠕動音 / 機械学習 / 音源分離 / 雑音除去 / One-class SVM / One-class Neural Network |
研究実績の概要 |
令和5年度は(1)腸蠕動音の収集,(2)雑音除去手法の開発(3)ベースラインシステムの開発と評価を実施した. (1)腸蠕動音の収集では,研究分担者の所有する電子聴診器を用いて,簡易的な腸蠕動音録音装置を作成した.被験者1名から6時間分の腹部音声を4日に分けて,合計24時間分を録音した.録音データに対して探索的データ解析を行い,適切な前処理を実施した.本データを後述するベースラインシステムの学習用データとして利用できるように整備した. (2)雑音除去手法の開発では,音量および周波数にもとづくフィルタリングを実施した.また,画像処理分野で研究が進んでいる領域分割アルゴリズムを音源分離アルゴリズムに応用し,腸蠕動音と雑音を分離するための検討および実験を行った. (3)ベースラインシステムの開発と評価では,次年度以降に開発を計画している腸蠕動音検出システムの比較対象となる,一般的な学習モデルを用いたベースラインシステムを開発し,その検出精度を評価した.ベースラインシステムの学習モデルには,One-class SVM, One-classニューラルネットワークを採用した.(1)で収集した学習データを用い,各学習モデルを訓練した.One-class SVMは感度97%, 特異度75.1%で腸蠕動音と雑音を識別できることがわかった.One-classニューラルネットは感度85.3%,特異度32.2%となることがわかった. これらの研究成果を第61回日本人工臓器学会大会および情報処理学会研究会で報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はおおむね順調に進展している.当初計画では,令和5年度は(1)腸蠕動音の収集に5ヶ月,(2)雑音除去手法の開発に5ヶ月,(3)ベースラインシステムの開発と評価に6ヶ月を要すると見積もっていたが,おおむね計画通りに進捗している. 当初計画と異なる点として,(1)腸蠕動音の収集について,聴取者を20名を計画していたが,令和5年度は研究協力者1名からの聴取となった.1回あたりの聴取時間を6時間とし,時間を変えて複数回録音したため,(2)および(3)の開発・評価には十分なデータ量を取得している.
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,令和5年度に作成・評価したOne-class SVM,One-classニューラルネットに基づく腸蠕動音検出システムをベースラインとして,検出精度を向上させるための研究を行う.ベースラインシステムは腸蠕動音の検出理由を解釈することが困難であるため,説明可能性を高めるためのモデルの選定および改善を行う.また,令和5年度に用いた腸蠕動音録音装置は簡易的なものであり,腸蠕動音が不明瞭に録音され,雑音も混入しやすいため,この改良を課題にする.腸蠕動音を聴取する被験者を増やし,詳細な分析を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度は物品費,人件費・謝金を計上しなかったため,次年度使用額が生じた.旅費については,国内学会発表が2件のみであったため少額となった.令和6年度は,腸蠕動音検出システムを大規模データで機械学習するため,大容量のVRAMを搭載したGPU,および計算サーバを購入する.
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