研究課題/領域番号 |
23K11901
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
高山 法也 自治医科大学, 医学部, 助教 (40807880)
|
研究分担者 |
笹沼 英紀 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90511709)
谷口 信行 自治医科大学, 医学部, 客員教授 (10245053)
山田 俊幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (50211636)
小形 幸代 自治医科大学, 医学部, 講師 (10448847)
秋山 いわき 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (80192912)
力山 敏樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (80343060)
利府 数馬 自治医科大学, 医学部, 助教 (60865715)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 音響放射力インパルス(ARFI) / ARFIエラストグラフィ / 消化管 / 肺 / 超音波造影剤 / ウサギ / ブタ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、音響放射力インパルス(Acoustic Radiation Force Impulse: ARFI)を利用した新たな超音波診断法であるARFIエラストグラフィの生体への安全性について、特に超音波障害を受けやすい消化管や超音波造影剤投与下組織などへの影響を検証することであり、本実験は文部科学省による基本指針に従い、自治医科大学動物実験委員会の承認を得たものである。我々はすでにウサギの実験においてARFIの最大負音圧およびメカニカルインデックスが高くなるほど、肺損傷の発生確率や損傷の程度が大きくなることを論文化して報告しているが、この実験モデルを発展させて造影剤投与下のウサギの肺組織に対するARFIの影響について実験を行った。方法は超音波造影剤を使用する群と使用しない群に分け、さらにメカニカルインデックスをそれぞれの群に対して6段階と5段階に設定し、それぞれのグループにウサギを割り当て、カスタムメイドしたARFI照射装置を使用し、ARFI(中心周波数: 5.2MHz、パルス持続時間: 0.3ms、照射回数: 30回、照射間隔: 3s)を肺に照射した。実験結果としては超音波造影剤を投与する群としない群ではARFIによる肺損傷の発生率や損傷の大きさに有意な差は認められないという結果であった(論文投稿中)。さらに現在この結果を踏まえ、ヒトに近い大動物であるブタを使用して、消化管および超音波造影剤投与下の肺、肝臓、胃への影響をみるためのARFI照射実験を行っており、データ集積中である。本研究成果は、世界的に需要が高まっているARFIエラストグラフィのより安全な使用のための一助になり得ると考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に行ったブタの実験は当初予定していた10回中9回が終了しており、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
現在行っている大動物であるブタの消化管および超音波造影剤投与下の肺、肝臓、胃へのARFI照射実験を継続し、データが集積され次第、学会発表、論文作成を予定している。これにより現在臨床使用されているARFIエラストグラフィの安全基準の一つを国内外に向けて示していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に当初予定していた実験回数は10~15回であったが、当該年度では実験室の使用状況が混雑しており、実験メンバーの日程調整を行ったものの、実験は9回しか実施することができなかったため。次年度には現行の大動物であるブタの実験の残りを予定通り計6回行っていく予定であり、次年度使用額は主にブタの購入費やブタ実験施設の使用料、学会発表や論文作成に関する費用に使用する。
|