研究課題/領域番号 |
23K11988
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
佐藤 未希 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (70759331)
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研究分担者 |
大徳 尚司 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10770472)
郷 貴博 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (10782675)
東江 由起夫 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90460328)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 断端周径変化 / 3Dスキャナー / エコー |
研究実績の概要 |
月経周期によって断端周径が変化し,日常生活で頻回に義足ソケットの不適合を訴える女性大腿切断者に対し,義肢装具士は男性が多く性差におけるソケット適合のエビデンスが乏しいため,その処置と対応について苦慮している.そこで本研究では切断者の性差と月経周期における日間変動に着目し,以下の方法で計測を行い評価・分析を行う.最適な採型時期の提示を行うことで義足ソケットの製作・適合性の向上の一助とすることを目的とすることにより,女性切断者のQOLを高めるのみならず,女性義足アスリートの競技能力向上の一助を目指すと共に,義肢装具士の作業時間の短縮にも寄与し,切断者・義肢装具士双方にとって有益な波及効果が期待できる.
対象者は閉経前の月経周期を有する女性大腿切断者10名,健常女性10名,男性大腿切断者10名の計30名とし,皮膚トラブルや腫脹を起因とする疾患の無い者を対象とする.計測方法は1)SDスキャナーによる断端周径計測,2)エコーによる計測,3)体重,4)基礎体温,5)月経日記録,の5項目とする.計測期間は90日とする.女性被験者は上記3)と4)を被験者本人が毎日計測,5)は月経日のみ記録しその結果を別紙グラフに記入する.1) と2)は本学にて研究分担者が計測し,月経周期の3期(①月経期,②推定排卵期,③黄体期中間)に比較分析を行う. 男性被験者は上記3)を被験者本人が計測し,その結果を別紙グラフに記入する.4)と5)は行わず,1) と2)は1女性被験者の月経周期の間隔相当の時期に本学にて,研究分担者が計測を行う.
今年度,上記内容の計測を行うために現在被験者の確保と計測の準備を並行している.また,これらの研究結果は第29回日本義肢装具士協会学術大会(2023.07仙台)で発表済み,第30回日本義肢装具士協会学術大会(2024.07埼玉)で発表を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画からはやや遅れている.その理由は,大腿切断者は健常者に比べ圧倒的に母数が少なく,年齢や切断原因等の基礎事項を統一させることが難しい状況がある.その中でも本研究は,月経周期を有する女性大腿切断者という特有の条件が付加されるため,さらに被験者確保が困難であり,計測が滞っている状況である. しかしながら,計測・解析の準備を進め,終息の後迅速に計測を実施する.
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今後の研究の推進方策 |
速やかに研究対象者の選定を行い,計測を実施し,次年度中に被験者30名のデータを基に,解析を進める. 当初,計測方法を1)SDスキャナーによる断端周径計測,2)エコーによる計測,3)体重,4)基礎体温,5)月経日記録の5 項目を予定していたが,申請額からの減免を鑑み,2)のエコーによる計測は実施せず,1).3).4).5)の4項目の計測を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は予備実験を実施したため,当初計画していた人件費が発生しなかった.その為,使用額に差が生じたが,次年度は研究計画に順じ計測を実施 する予定であり,繰り越し金額も消化も順当に行えると考える.
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