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2023 年度 実施状況報告書

英語母音の緊張性に関する定量的な解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K12151
研究機関宇都宮共和大学

研究代表者

石崎 達也  宇都宮共和大学, シティライフ学部, 非常勤講師 (30908322)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード英語 / 母音 / 音声学 / 外国語教育 / 言語学 / 日本語 / 緊張性 / 発音
研究実績の概要

本研究は、音声学において今後発展的に研究が行われることが期待され、その挙動や定義が現時点で完全に明らかとなっていない2つの主要な特性「母音のフォルマント移動と緊張性」に関するものである。緊張性については、これまで緊張及び弛緩の2通りに区別されて離散的に議論されることがほとんどであり、いかなる言語においても定量的尺度による定義はこれまでに存在していなかった。
研究代表者はこれまでに、緊張性の指標を第1フォルマント周波数の角度θ1とし、母音の緊張性を「緊張又は弛緩」の2通りで区別するのではなく「連続的な数値」で定量化できることを明らかにしている。したがって本研究は、言語学における母音の緊張性に関する初めての定量的および包括的な研究という位置づけとなる。
本研究の目的は、上述の手法を用いてすべての英語母音が示す緊張性の定量化を行い、その挙動を明らかにすることである。
現時点での観測結果は、英語母音/ae/,/A/に関するフォルマント角度θ1は、統計的に有意差のある母音の緊張性の指標の一つとして捉えることができることを示唆している。石崎(2022, 2023)は、英語の緊張・弛緩母音/i/,/I/及び/u/,/U/に関するフォルマント角度θ1が同様に統計的に有意差のある母音の緊張性の指標の一つとして捉えられることを既に主張しており、フォルマント角度θ1は上述の母音を音質の観点で区別する上で重要な物理量であると考えることができる。したがって「フォルマント角度θ1の1次元マップ」は、英語母音/ae/,/A/の発音教育に関するコンピュータ支援(CALL)やe-learningで使用可能となる、新たな音声学的な特性のデータとなり得るといえる。
上述の観測結果およびその検証を通して、日本語話者向けの英語母音/ae/,/A/の発音手法の検討及び実践的検証を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

英語母音/ae/,/A/に関する緊張性の定量解析を行う上で、フォルマント角度θ1の観測は概ね順調に進めることができている。日本語話者向けの英語母音/ae/,/A/の発音手法の検討及び実践的検証も概ね順調に進めることができている。

今後の研究の推進方策

2024年度では主に、未観測である英語母音の緊張性に関する定量解析を行う。どのような緊張性 θ1, dZn(t)/dt, d2Zn(t)/dt2 の挙動がみられるのかを明らかにしていく。
2025年度では主に、日本語話者向けのすべての英語母音の発音手法を検討し、母音の緊張性を利用した教育分野への貢献が可能であるかについて明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

当該年度においては学会発表をオンラインで行ったため、旅費の発生がなかった。翌年度の学会発表は会場にて行うため、旅費が発生する見込みである。また、研究を遂行する上で必要となるものを精査し、物品費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 英語母音 /ae/, /A/ の発音手法の検討 ー日本語母音「ア」, 母音+促音「アッ」, /ae/, /A/ の緊張性とフォルマントー2024

    • 著者名/発表者名
      石崎達也
    • 学会等名
      第8回尚絅学院大学総合人間科学会
  • [学会発表] 英語母音 /ae/, /A/の緊張性に基づく発音手法の検討 ー音声認識技術を利用した実践的検証の試みー2023

    • 著者名/発表者名
      石崎達也
    • 学会等名
      外国語教育学会 第27回大会

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公開日: 2024-12-25  

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