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2023 年度 実施状況報告書

スペイン語における使用頻度順熟語リスト作成のための研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K12232
研究機関九州大学

研究代表者

蔦原 亮  九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (90792432)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
キーワード熟語 / 構文 / 文法化 / 語用論化 / スペイン語
研究実績の概要

今年度はコーパスを用いて収集した 2-5 gram の連結から熟語、定型表現と思われるものを抽出する作業に充てた。これはコーパス、Spanish Web から当該の N-gram を使用頻度順に抽出し、目視で抽出していくというものである。この作業に並行して、その性質が興味深いと思われた、de manera/forma/modo + modificador 連結、ならびに、語用論化した decir を含む構文については重点的な分析を行い、論文化した。
前者はその定型性に関する議論である。これらの連結は形式上の定型性には欠けるものの、意味上の idiomaticidad を示し、またその使用頻度の分類から構文として位置づけることを提案したものである。本研究の視座から言えば、この結果は、熟語の下位分類の存在を示唆するものであり、今後の研究の基礎として位置づけられる。
後者はある語を含む構文の熟語化には一定の方向性があることを主張したものである。発話動詞 decir を含む構文は大量に存在し、その多くは談話標識や間投詞といった語用論的な機能を有している。こうした発話動詞の語用論化は自然言語に広く見られる現象であり。本研究では decir を含む構文は自由に語用論化するのではなく、より適切な表現を導入する、という機能の獲得に向けて語用論化していくことを確認した。このことは、熟語をトップダウン式に説明する手法の有効性を示唆するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していたペースで N-gram の分析は進んでいる。また、先述の通り、当初は予定されていなかった構文の重要性が浮上し、今後は構文も含む形でリストの作成にあたりたい。

今後の研究の推進方策

今後は引き続き、N-gram のリストを分析し、熟語を抽出していく。それに並行し、今年度は se trata de という構文に関する通時、共時両面からの研究も進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

育児事情により当初予定していた海外調査を取りやめたため。次年度使用額は 24 年度以降の海外調査に充てる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Los sustantivos en la gramaticalizacion2024

    • 著者名/発表者名
      TSUTAHARA RYO
    • 雑誌名

      HISPANICA

      巻: 2023 ページ: 25~50

    • DOI

      10.4994/hispanica.2023.25

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Un estudio sobre la frecuencia de uso de locuciones2023

    • 著者名/発表者名
      TSUTAHARA RYO
    • 雑誌名

      Studio Romanica

      巻: 56 ページ: 1-16

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] de manera/forma/modo その定型性と異同 意味と共起語に着目して2023

    • 著者名/発表者名
      蔦原亮
    • 学会等名
      日本ロマンス語学会
  • [学会発表] 語用論的表現のリソースとしての decir ―言う・say との対照の観点から―2023

    • 著者名/発表者名
      蔦原亮
    • 学会等名
      日本イスパニヤ学会

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公開日: 2024-12-25  

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