研究課題/領域番号 |
23K12261
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
王 楽 東北大学, 情報科学研究科, 特任助教 (40972196)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 満洲 / 医療衛生 / メディア利用 / 多民族多文化 |
研究実績の概要 |
本研究は、1931~1945年に中国東北部に存在した満洲国と関東州の農村部と都市部における衛生知識の普及、および医療活動と、その後に存在した各種のメディアとその変容を検証するものである。本研究は主に活字資料と映像資料などの史資料に基づいて歴史的なアーカイブ分析を行っている。今年度は主に日本国内と中国で歴史資料を収集しながら、衛生と医療に関する視覚メディアの利用に着目し分析を行った。 学会発表に関しては、東アジア日本研究者協議会第七回国際学術大会(2023年11月)で、メディアとしての美術の受容と変容などについて議論した。 学術論文に関しては、上記の研究目的に基づいて、論文1本が掲載決定となった。「医療衛生活動与電影的配合―満洲衛生映画的誕生―」『当代電影』(中国電影藝術研究中心・当代電影雑誌社、2024年中)。 資料調査は、日本国内では国会図書館(東京)と国会図書館関西館(京都)で満洲の衛生教育に関連する文献を中心に収集した。国外では中国遼寧省大連市の大連市図書館、大連市市内の古本屋、黒竜江省ハルビン市の黒竜江省図書館、黒竜江省档案館とハルビン市内の古本屋などで、満洲国時代のみならず、その以前と以降の衛生と医療知識の宣伝などに関する資料を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は研究計画に基づき、1本の査読論文が掲載されることが決定した。また他にも執筆中の論文と解析中の資料があるため、来年度は引き続き資料を収集しながら、新たな研究成果を出すことが期待できる。 今年度では中国東北部の大連市とハルビン市で資料調査を行ったが、調査先で入手した資料と現地の研究者から得た情報に基づいて、来年度は満洲の衛生と医療知識の宣伝に関する新しいテーマをもとに海外の研究者と協力しながら、研究を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本課題の目標に向けて研究を進め。2024年度には北京、上海と台北で資料調査を行う予定である。また、海外での口頭発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは、資料調査のための出張回数が減少したことによるものです。2024年度には引き続き海外出張を予定している。
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